【これからの見通し】リスク警戒の状況下での米消費者物価指数発表、市場のベクトル一致するのかどうか
【これからの見通し】リスク警戒の状況下での米消費者物価指数発表、市場のベクトル一致するのかどうか
先週後半から市場はリスク警戒で荒れ模様となっている。米シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行などの破綻がその要因。いずれもかなり偏った顧客層の銀行群ではあるが、急速な米利上げの弊害が出たとの見方もあるようだ。米債利回りの低下、株安とともに、急速に今後の米利上げ観測が後退している。短期金融市場では、次回3月FOMC会合では据え置きが25%程度、25bp利上げが75%程度の織り込みとなっている。2月には一連の強い米経済統計の連続で、50bp利上げ観測が台頭することもあった。随分と状況は変化している。
足元のマーケットでは米2年債利回りが、前日の急低下からやや戻している。前日に132円台前半まで下落する場面もあったドル円相場は、134円近辺まで反発。クロス円も下げ渋り、ユーロドルやポンドドルは上昇一服となっている。この後の米消費者物価指数の発表を控えて調整が入る形になっている。
今日発表される2月米消費者物価指数は前回1月からの伸び鈍化が予想されている。前年比+6.0%(前回+6.4%)、コア前年比+5.5%(前回+5.6%)の予想。前回1月はコア前年比が予想外の上昇となり、粘着質なインフレが示され、米債利回り上昇とともにドルが買われる経緯があった。バイデン米大統領はインフレ鈍化を期待する発言をしていたが、結果はどうなるか。
注意したいのが、発表を控えた市場環境が違うことだ。前回は強い米雇用統計の発表後でもあって、市場のベクトルが米大幅利上げ方向に傾いていた。しかし、今回は上記のような米金融不安を背景に、小幅の米利上げ幅や見送り観測が優勢な状況下にある。
米消費者物価指数結果に対するインパクトは異なったものとなりそうだ。予想以上にインフレの伸びが鈍化する場合には、足元の市場の状況とベクトルが一致することとなり、ドル売り反応がかなり強まることが想定される。逆に予想以上のインフレの場合は、ドル買いの初動反応が予想される。ただ、その持続性については米債利回り動向をよく見てゆく必要がありそうだ。発表時刻は米国が夏時間に移行しているため、日本時間午後9時30分となる。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米消費者物価指数(2月)のほかにも英ILO失業率(11-1月)、英雇用統計(2月)、香港生産者物価指数(第4四半期)、香港鉱工業生産指数(第4四半期)、南アフリカ製造業生産高(1月)、カナダ製造業売上高(1月)などが予定されている。
発言イベント関連では、ボウマンFRB理事が米国の銀行業界におけるイノベーションについて講演を行うが、ブラックアウト期間中であり、経済・金融政策関連の話題には触れられない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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