円安進行、日銀人事めぐる混乱後の流れ続く=ロンドン為替概況
円安進行、日銀人事めぐる混乱後の流れ続く=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円安が進行している。先週末は日銀人事をめぐる報道で混乱した市場だが、新総裁と目される植田氏が現時点では緩和策を継続することが適当と明言したことが円売りにつながった。その流れは週明けにも再燃している。ドル円は東京市場朝方につけた131.14近辺を安値にその後は買われ続けている。ロンドン時間には132.77近辺まで高値を伸ばし、2月6日以来のドル高・円安水準となった。クロス円も同様に買われている。ユーロ円は141円台乗せから高値を141.73近辺に更新。ポンド円は159円台乗せから159.88近辺に高値を伸ばしている。ユーロ対ポンドではややユーロ買いが優勢。EU経済予測では23年経済成長率見通しを従来の0.3%から0.9%へと上方修正した。第4四半期から第1四半期にかけてのリセッション回避見通しも示されている。欧州株は先週末の下げから反発、米株先物はまちまちだが、ナスダック先物は反発している。米10年債利回りは3.73%付近から3.75%付近での揉み合い。あすは政府が国会に日銀正副総裁人事案を提示するほか、NY市場では最新の米消費者物価指数が発表される。
ドル円は132円台半ばでの取引。週明け東京市場から引き続き買われている。東京朝方につけた131.14近辺を安値に、その後は堅調な足取りを続けている。ロンドン時間に入ると132円付近で足固め。その後高値を132.77近辺に伸ばし、2月6日以来の高値水準となった。日銀新人事での緩和継続期待が円売り圧力となっているもよう。
ユーロドルは1.06台後半での取引。1.0656-1.0692と狭いレンジでの揉み合いが続いている。あすの米消費者物価指数の結果を見極めたいとのムードが広がっている。一方、ユーロ円はドル円とともに堅調に推移。141円台乗せから141.73近辺まで高値を伸ばした。ユーロ対ポンドではややユーロ買いが優勢。EU経済予測で今年の成長率見通しが引き上げられたことや、第4四半期から第1四半期にかけてのリセッション回避の見通しが示されていた。センテノ・ポルトガル中銀総裁は3月会合での経済見通しが今後の金利過程にとって重要だと指摘した。
ポンドドルは1.20台半ばでの取引。ユーロドルと同様に狭いレンジでの揉み合い。東京市場からの値動きは1.2031-1.2072に限られている。ポンド円は円安の動きが広がっている。東京午後に159円台乗せとなったあともロンドン時間には159.88近辺まで高値を伸ばしている。ユーロポンドは0.8850付近から一時0.8875近辺まで上昇。ややポンド売りの動きが優勢になっている。ハスケル英中銀委員は、インフレ動向が極めて不透明としたほか、ブレグジットによる貿易縮小などが指摘された。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。