【これからの見通し】主要中銀イベントを一通り通過、来年に向けた各国中銀のタカ派度はどうか
【これからの見通し】主要中銀イベントを一通り通過、来年に向けた各国中銀のタカ派度はどうか
今週は主要中銀の金融政策会合が相次いだ。米国、英国、欧州、スイスなど。偶然というわけではないが、いずれも50bpの利上げを発表している。ただ、来年に向けたタカ派度はかなりまちまちなものとなってきそうだ。米国はターミナルレート水準の見通しを5%台に引き上げてきた。ただ、市場での織り込みは5%を下回っており、インフレの伸び鈍化の動きが反映されている。
英中銀は主要中銀のなかではいち早く利上げを開始した。利上げの影響がすでに景気鈍化として現前のものとなっているようだ。雇用の強さは人手不足の面が強く、EU離脱を背景とした構造的な弱点となっている。リセッション入りが示唆されており、利上げ停止の見通しが高まってきそうだ。
ECB理事会は利上げ開始が今年夏からの最も遅い。まだ、金利水準は引き上げ途上の感が強い。インフレのピークアウト期待はあるものの、水準自体はCPIが前年比+10%と極めて高い。ラガルド総裁はしばらくは50bpペースの利上げが継続される可能性を示唆していた。
昨日は改めてドル買いの動きが広がったが、ドル指数の1-2か月間の流れは下向きであることが鮮明だ。市場は米利上げ停止時期を探る姿勢となっているようだ。英国はリセッション警戒で最も早い時期に利上げ停止となる可能性があろう。一方で、ECBはしばらくインフレ抑制を最優先としそうだ。ドル、ユーロ、ポンドの流れに差異が広がりそうだ。
きょうは一連の12月PMI速報値が発表される。フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国など。英国では小売売上高(11月)も発表される予定。ユーロ圏では貿易収支(10月)と消費者物価指数確報値(11月)が発表される。カナダでは卸売売上高(10月)が発表される。
発言イベント関連では、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁たインフレおよび経済・連邦準備制度に関する討論会に参加する。質疑応答も予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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