パウエル証言はFOMC同様で、ドル高を期待していた向きの戻り売り=NY為替後半

為替 

 NY時間の終盤に入ってドル円は136円台前半での推移となっている。きょうの為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は一時135円台に再び値を落とした。この日はパウエルFRB議長の上院での議会証言が行われていたが、市場の反応は限定的となった。議長は「インフレ2%への回帰に強力にコミット。米経済は非常に力強く、引き締め策への対処可能」などと、先日のFOMC後の会見と同様の内容を述べていた。

 議長はまた、「ソフトランディング達成は非常に困難」との見方を再度繰り返し、リセッション(景気後退)の可能性を事実上認めている。

 きょうの議長の証言にドル高の反応を期待していた向きも多かったようだが、特に先日のFOMC以上にタカ派な発言もなく、ドルは期待外れの戻り売りに押された模様。

 市場は、FRBの積極引き締めについて、だいぶ織り込む動きも見せる中、それが来年の米経済をリセッション(景気後退)に導くのではとの懸念に焦点がシフトしている。景気後退に陥ると見ている向きは少なくないが、陥ったとしも浅いものにるとの見方も多い状況。

 ドル円は上げを一服させているが、下押す気配まではない。日銀が主要国の中では唯一、緩和姿勢を堅持する中で、来年は世界的な景気後退に陥るとの観測も広まりつつある。その状況下で日銀は当面動きづらいと見られている。各国中銀との金融格差に市場の焦点が当たっているうちは、円安継続との見方は依然として優勢のようだ。

 ユーロドルは買い戻しが膨らんでいる。一時1.06ドル台に上昇しており、本日1.0620ドル付近に来ている21日線を試に行くか注目される。ただ、ユーロドルの先行きに悲観的な見方は依然として強く、パリティ(1.00ドル)以下への下落を想定する向きも多いようだ。

 一部からは、新興国通貨、特にアジア通貨をドル高から守るための当局の為替介入によりユーロドルは脆弱になるとの見方が出ている。例えば、アジアの外貨準備当局が大量のドル売りを行った場合、それらの外貨準備におけるユーロのウェイトがベンチマークを上回ることになる。アジア中銀のポートフォリオ・マネジャーはその後、リバランスのためにユーロの売りに走るという。

 一方、ユーロ圏の経済成長予測の下方修正、ウクライナ危機による天然ガス供給の突然の停止に対する懸念の高まり、そして、ECBの引き締めの程度に対する疑念もユーロの重荷になり得るとしている。

 ポンドドルはNY時間にかけて買い戻しが膨らみ、1.23ドル台まで一時買い戻されている。ただ、この日の英消費者物価指数(CPI)の発表を受けて一時1.2165ドル付近まで下落する場面が見られていた。この日の5月の英CPIは安堵感をもたらしたようだ。総合指数は前年比9.1%と予想と一致したことが安堵感をもたらしたという。もし、6月のデータも予想通りなら、英中銀は利上げペースを0.50%ポイントに変えるのではなく、0.25%ポイントに固執する可能性があるとの声も聞かれた。

 しかし、英国は10月に公共料金の引き上げが予定されており、その影響で秋には11%以上までインフレが進むとも予想されている。英中銀も先日の英中銀金融政策委員会(MPC)で同様の見解を示していた。

 英中銀の大幅利上げ期待は温存されているといった状況だが、ポンドに強気な見方は多くはない。ポンドはリスク志向に左右され、リスク回避の動きが強まる中では脆弱性が残るとしている。

英消費者物価指数(5月)22日15:00
結果 0.7%
予想 0.7% 前回 2.5%(前月比)
結果 9.1%
予想 9.1% 前回 9.0%(前年比)
結果 5.9%
予想 6.0% 前回 6.2%(コア・前年比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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