序盤の下げを取り戻す IT・ハイテク株に押し目買い=米国株後半
NY株式24日(NY時間15:48)
ダウ平均 33092.87(-38.89 -0.12%)
ナスダック 13413.99(+376.50 +2.89%)
CME日経平均先物 26305(大証終比:+375 +1.43%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均は前日付近まで急速に戻している。序盤は売りが強まり、ダウ平均は一時800ドル超急落した。ロシアがウクライナ侵攻を開始しし、市場に衝撃を与えている。原油相場が一時100ドル台に急騰したことでエネルギー株は上昇しているものの、その他の幅広い銘柄に売りが広がっていた。しかし、IT・ハイテク株に押し目買いが活発に入り、ナスダックはプラスに転じている。
今回のロシアによるウクライナ侵攻で、FRBをはじめとした各国中銀への利上げ期待が後退。CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、3月FOMCでの0.5%の大幅利上げの確率が低下しており、15%程度となっている。前日は33%程度だった。高インフレの長期化リスクから利上げは実施するものの、ウクライナ情勢の悪化もあり、FRBは急速な動きは控えるとの見方が強まっている模様。金利動向に敏感になっているIT・ハイテク株への押し目買いに繋がっているのかもしれない。
また、ロシア軍がウクライナの首都キエフを陥落させそうな勢いとなっており、市場が想定していた最悪のシナリオを一気に見させられたこともあり、悪材料出尽くし感も出ている可能性もありそうだ。西側諸国は厳しい制裁を発表しているが、その影響を見極める段階になっているのかもしれない。
市場からは、ロシアへの強い制裁で商品価格に上昇圧力がかかると予想されるが、この危機がどの程度の時間をかけて展開されるかで、インフレ、金融情勢、成長にどの程度の影響が出るかが決まるとの声も聞かれた。
モデルナ<MRNA>が上昇。取引開始前に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。大半を占めるワクチンの売上高は69.4億ドルと予想を上回った。30億ドルの自社株買いプログラムも発表。また、2022年のワクチン販売について、190億ドル相当の契約を締結したと発表。1月に発表した185億ドルから若干増加した。
オンライン旅行のブッキング<BKNG>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、回復力を維持していることを示した。ただ、ホリデーシーズン中のプラットフォームでの宿泊予約が予想を下回ったことが嫌気されている模様。
ストレージのネットアップ<NTAP>が大幅安。前日引け後に10-12月期決算(第3四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回った。ただ、供給問題が利益率に与えている影響が指摘されている。サプライチェーン問題が予想以上に大きな逆風となっており、それが成長の妨げになっているという。
商品リースのレントAセンター<RCII>が大幅安。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益が予想を大きく下回った。ガイダンスも公表し、通期の1株利益、売上高ともに予想を大きく下回っている。
USAトゥデイの発行などを手掛けるガネット<GCI>が大幅安。取引開始前に決算を発表し、通期の売上高見通しが減収見通しを示し、2024年まで売上高の持続的成長は見込めないと述べたことが嫌気されている模様。
モデルナ<MRNA> 154.56(+18.83 +13.87%)
ネットアップ<NTAP> 78.79(-5.30 -6.30%)
レントAセンター<RCII> 28.78(-5.98 -17.20%)
ブッキング<BKNG> 2276.01(-193.82 -7.85%)
ガネット<GCI> 4.93(-0.39 -7.25%)
アップル<AAPL> 161.65(+1.58 +0.99%)
マイクロソフト<MSFT> 293.00(+12.73 +4.54%)
アマゾン<AMZN> 3013.98(+117.44 +4.05%)
アルファベットC<GOOG> 2644.09(+92.39 +3.62%)
テスラ<TSLA> 792.13(+28.09 +3.68%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 206.97(+8.52 +4.29%)
AMD<AMD> 115.80(+6.04 +5.50%)
エヌビディア<NVDA> 235.73(+11.86 +5.30%)
ツイッター<TWTR> 34.89(+2.13 +6.49%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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