「次の関心は米雇用統計へ」 外為トゥデイ 2021年9月1日号
目次
▼31日（火）の為替相場
（１）：中国非製造業PMI、分岐点50.0を割り込む
（２）：ユーロ圏CPI 2011年11月以来の高水準
（３）：米消費者信頼感 2月以来の低水準
（４）：月末の持ち高調整 ドル押し上げられる
31日（火）の為替相場
期間：31日（火）午前6時10分～1日（水）午前5時55分 ※チャートは30分足（日本時間表示） 出所：外為どっとコム
（１）：中国非製造業PMI、分岐点50.0を割り込む
中国8月製造業PMIは50.1、同非製造業PMIは47.5（予想50.2、52.0）となった。非製造業PMIは2020年2月以来、1年半ぶりに改善と悪化の分岐点である50.0を割り込んだ。なお、その後に発表された豪4-6月期経常収支は205億豪ドルの黒字となり、黒字額は過去最高を記録したが市場予想（214億豪ドル）には届かなかった。また、豪7月住宅建設許可件数は前月比-8.6％となり、前回（-5.5％）から一段と減少。市場予想（-5.0％）も下回った。
（２）：ユーロ圏CPI 2011年11月以来の高水準
ユーロ圏8月消費者物価指数（HICP）・速報値は前年比+3.0％と市場予想（+2.7％）を上回る伸びとなり、2011年11月以来の高水準を記録した。
（３）：米消費者信頼感 2月以来の低水準
米8月消費者信頼感指数は113.8と、市場予想（123.0）を下回り、2月以来の低水準となった。なお、これより前に発表された米6月ケース・シラー住宅価格指数は前年比+19.08％と過去最高の伸びを記録（予想+18.60％）した一方、米8月シカゴPMIは66.8に低下した（予想68.0、前回73.4）。
（４）：月末の持ち高調整 ドル押し上げられる
8月末のロンドンフィキシングの前後でドルが上昇。月末の持ち高調整と見られる動きで米債が下落（長期金利が上昇）した事もドルを押し上げた。ドル/円は110円台を回復した一方、クロス円はストレートドルの下落が重しとなり上値が重かった。
31日（火）の株・債券・商品市場
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本日の見通し
ドル/円の見通し：9月に入り通常モードへ
昨日のドル/円は終値ベースで0.1％未満の小幅高。NY市場に入り、一時109.59円前後へと下落したが、月末のロンドンフィキシングの前後でドル買いが強まると110.08円前後まで反発した。なお、この日のNY市場では米長期債が下落（長期金利上昇）、米国株も下落しており、ドルも対円以外では軟化するなど、月末の持ち高調整と見られる動きが支配的だった。
本日から9月に入る事で為替相場は通常モードに戻ると考えられる。ただ、3日に米8月雇用統計の発表を控えている事から市場の動意は高まりにくいだろう。米連邦準備制度理事会（FRB）によるテーパリング（量的緩和の段階的な縮小）の開始時期を探る上で、8月雇用統計は重要な手掛かりとなる公算が大きい。本日のNY市場では雇用統計の前哨戦として米8月ADP全国雇用者数が発表される。その他にも、米8月ISM製造業景況指数の発表が予定されている。
注目の経済指標
注目のイベント
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