為替相場まとめ8月3日から8月7日の週

為替 

 3日からの週は、ドル売りが優勢だった。米株が堅調に推移し、リスク選好的なドル安や円安の動きがみられた。また、新型コロナ感染拡大が米景気回復を遅れさせるとの見方から、米金融当局の超緩和政策が長期化するとの見通しが根強い。米債利回りの低下がドル安圧力となる面も加わった。ユーロドル、ポンドドル、豪ドル/ドルなど先週から一段と高値を広げる場面があった。ポンドにとっては英中銀金融政策委員会が、政策金利と資産買入枠を全会一致で据え置いたことが買いを誘う動きもみられた。ベイリー英中銀総裁はマイナス金利導入計画はないと述べた。豪ドルにとっては原油高・金高なと商品市況の強さが支えとなる面もあった。一方、ユーロドルはこれまで順調に上値を伸ばしてきたが、節目の1.20の水準ではECBが警戒感を示すとの見方もでていた。ドル円は106円台から105円台へとやや水準を下げている。週末の米雇用統計は予想を上回る良い内容だった。発表後に振幅をみせたあとドル買いが優勢となり、ドル売りの流れには調整が入っている。また、この週はトルコリラや南アランドなどが下落しており、新型コロナ感染拡大を受けた経済打撃の影響が色濃く反映されていた。今後、注意したい動き。米中関係の悪化も今後の相場動向に影響しそうだ。


(3日)
 東京市場で、ドル円が振幅をみせた。先週にこれまでのドル安に調整の動きが強まり、104円台前半から一時106円台まで買われた。週明けは105円台後半で取引を開始。朝方は105.70近辺まで下押しも、東京勢が本格参加すると買いが強まり、106.40台まで上伸した。その後は、再び105.80台まで反落と荒っぽい値動きとなった。ユーロドルも先週末に1.19台から1.17台まで調整売りが入った。週明けには1.1741レベルまで一時下落。その後は1.17台後半に反発と往来相場となった。午後には全般に落ち着いた値動きとなった。

 ロンドン市場は、円高とドル高の動きが交錯。序盤は円高の動き。ドル円は一時105.58レベルまで下落。ユーロ円124円近辺、ポンド円138円割れから137円台後半、豪ドル円75円台後半から前半まで下落した。しかし、その後はドル買いの動きが再燃する。ドル円は106円台乗せへと上昇、ユーロドルやポンドドルは1.17台前半や1.30台前半で上値重く推移している。ただ、ドル円の上昇が勝っており、ユーロ円は124円台半ばへ、ポンド円は138円台乗せへと下げ渋っている。豪ドル/ドルは0.71近辺へ軟化するなかで、豪ドル円は75円台円前半から半ばへと下げ渋り。かなり複雑な値動きだが、円相場にとっては先週末の円安の調整が、ドル相場にとっては先週後半から引き続きドル安に対する調整圧力が働いているようだ。欧州株や米株先物は堅調に推移している。米10年債利回りは0.54%付近での揉み合い。独仏ユーロ圏などのPMI確報値の上方改定に対するユーロ買いの動きは限定的だった。英PMI確報値は小幅に下方改定されており、ポンド高が一服した面もあったようだ。

 NY市場は、ドル買い戻しの動き。ドル円は東京・ロンドン市場での振幅を経て、NY時間には再び106円台に上昇。東京高値に接近する場面があった。先週はドル安の流れが強まったが、週末あたりからはドルに買い戻しの動きが強まっており調整局面となっている。米雇用統計を控えて、7月のドル安相場にポジション調整が入りやすい点が指摘されている。ユーロドルは戻り売りが続き、一時1.16台に下落した。その後は押し目買いが入る1.17台半ばに戻した。ユーロ高が進行したことについて、欧州株のパフォーマンスに悪影響との懸念もあり、ユーロには高値警戒感もあるようだ。ポンドドルは上値が重く、1.30台を試す動きがみられた。今週は6日に英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されており、今回は政策変更はないことが確実視されているが、経済見通しも発表され注目度は高い。市場ではマイナス金利の動向が意識されている。もし、マイナス金利が導入された場合、ポンドはネガティブな反応が予想されるとの声も。
 
(4日)
 東京市場で、ドル円は落ち着いた値動き。朝方には106円台に上昇し、底堅い値動きとなったが、高値は106.19近辺までに限定された。前日の不安定な上下動のあとで、同水準での取引では上下動も慎重な姿勢がみられた。ユーロドルは朝方の1.1750台から若干上昇したが、1.1770前後までと小動きだった。13時半に豪中銀理事会の結果が発表され、事前見通し通りの政策金利及び3年物金利目標の現状維持が示された豪ドルは、対ドルで0.71台前半での推移が続いた。声明は楽観姿勢が若干後退という印象も。市場の反応をみると想定の範囲内だったようだ。

 ロンドン市場は、ドル売りが先行も続かず。序盤はドルが売られた。ユーロドルが1.1170付近から一時1.18台に乗せると高値を1.1806レベルに広げた。しかし、その後は売買が交錯するなかで売りに押され、1.1760台と上に往ってこいに。ドル円は106円を挟んで下に往ってこい。106円割れから105.84レベルまで下落も、再び106円台に戻している。ポンドはやや振幅が大きかった。1.30台後半から1.3108レベルまで買われたあとは、売りに押されて1.3030近辺へと安値を広げている。ユーロ円が124円台後半から125円ちょうどへと買われる一方で、ポンド円は139円手前が重く、138.20台まで安値を広げている。ユーロ買い・ポンド売りのフローが観測された。欧州株や米株先物は前日からの高値水準を維持しているが、売買が交錯して一進一退。原油や金相場もドル相場の上下動とともに神経質な動きとなっている。

 NY市場では、再びドル売り優勢に。原油や金といった商品相場が上昇しているほか、TikTokを巡って米中対立がエスカレートを見せる中でも米株が底堅く推移しており、従来のリスク選好のドル売りが出ているのかもしれない。米国債利回りが低下していることもドル売りを誘発しているようだ。ドル円は戻り売りで105円台に下落。ユーロドルは1.18ドル付近へと買い戻された。ポンドドルは一時の1.30台割れから1.30台半ばへと再び上昇。ただ、いずれもドル安調整のドル買いに、さらに調整が入る格好となっており、水準はドル安も方向性は混とんとしている。ポンドは木曜日の英金融政策発表を控えて神経質な面も。

(5日)
 東京市場では、ドル売り圧力が継続。ドル円は午前中に105.51レベルまで下押しされた。その後の戻りは105.70レベルを付けきらずと安値圏での狭いレンジでの揉み合いだった。ユーロドルはドル安の動きで上昇、1.1820台まで。その後は1.18台を維持しての揉み合いとなっている。朝のニュージーランド雇用統計が強めの結果だったことでNZドルは70円割れから70.25近辺まで上昇。雇用の強さも、世界経済の低迷からの輸出鈍化懸念などが重石となっており積極的なNZドル買いにはつながらず。

 ロンドン市場は、ドル安と円安の動きが広がっている。欧州株や米株先物が買われており、リスク選好の動き。NY原油先物や金先物も上昇しており、ドル安との相乗効果もみられている。ドル安の動きでユーロドルは1.18台前半から後半へと高値を伸ばした。ポンドドルは売買が神経質に交錯しているが、1.31台前半へと水準を上げている。リスク選好の動きに乗って豪ドル/ドルは0.72台を回復。円安の動きはクロス円が主導。ユーロ円は125円台前半、ポンド円は138円台後半、豪ドル円は76円台前半へと高値を伸ばしている。その中で、ドル円は105円台後半でジリ高の動きにとどまっている。独仏ユーロ圏、英国など一連の7月非製造業PMI確報値は、やや下方改定されていたが、いずれも50超の水準で改善傾向は維持していた。

 NY市場では、ドル円が再び軟化。一時105.35近辺まで下落した。米株や原油が上昇したほか、きょうは米国債利回りも上昇し、リスク選好の雰囲気も見られていた。そのような中で、為替市場でのドル安は根強く、ドル円の上値を圧迫したようだ。この日発表のISM非製造業景気指数は3ヵ月連続での改善を示し予想も上回った。発表直後は素直にドル買いの反応もみられたものの、すぐにドル売りに転じた。7月のADP雇用統計も発表になっていたが、雇用増加数が16.7万件と予想を大きく下回ったものの、前回分が大幅に上方修正されたことで相殺されている。ユーロドルは上値追いが続き、1.19台を一時回復。ポンドドルは1.31ドル台に上昇。

(6日)
 東京市場は、前日からのドル安圏内での小動き。ドル円は105.60近辺が重く下値を試したが、105.46レベルまでにとどまった。昨日の安値を割り込む勢いはなく105.50台を中心とした狭いレンジ取引が続いた。ユーロドルは1.18台後半での取引が続いた。朝方のドル安方向への動きでは1.1886レベルまでの上昇だった。その後は1.1870付近に落ち着いた。ポンドドルは1.31台前半での取引。日本時間午後3時発表の米中銀金融政策委員会(MPC)の内容を確認したいとのムードになっている。
 
 ロンドン市場は、ポンドが買われた。日本時間午後3時に発表された英中銀の金融政策が、全会一致で政策金利と資産買入枠ともに据え置かれことに反応した。市場では緩和主張の委員がゼロだったことで、予想ほどハト派色が強まらなかったと解釈したようだ。ベイリー英中銀総裁は、マイナス金利は選択肢だが、導入する計画はないと述べている。ポンドドルは1.31第前半から後半へ、ポンド円は138円台半ばから139円台乗せへと買われた。一方、ユーロドルは上値が重い。ポンド買いとともに買われたあとは、反落。ポンド買い・ユーロ売りに押された。一時1.19台に乗せたが、すぐに売り戻されて1.18台前半へと反落。ユーロ円も125円台後半まで買われたあとは、一時125円割れまで下押しされた。ドル円は105.40近辺まで下落したあと105.70近辺まで反発、その後はレンジ内に収まっている。欧州株は英FT指数の下落とともに軟調に推移、NY原油先物も高値から調整売りに押されるなど、リスク動向は調整色が広がっている。また、トルコリラが対ドルで最安値を更新した。国営銀行の介入で支えきれなかった。

 NY市場では、ドル売りが優勢。序盤はドル売りは一服していた。特に材料も見当たらなかったが、明日の米雇用統計や、追加経済対策を巡ってのホワイトハウスと民主党の協議の行方を見守りたい雰囲気も出ているようだ。米新規失業保険申請件数が発表され、3週間ぶりに件数が減少した。中盤からはドル売りが再び強まった。トランプ大統領が給与税減税と立ち退き猶予で大統領令の発令を計画していると表明した。大統領令には、失業保険給付と学資ローンも含まれ、金曜日か土曜日にも署名する意向だという。ドル円は105.30近辺まで一時下落。ユーロドルは1.18台後半に反発。ポンドドルは1.31台で振幅した。ベイリー英中銀総裁はマイナス金利について「選択肢にはあるが、導入する計画はない」と言明したことが、ポンド買いを誘ったようだが、一方で「経済見通しには恐ろしいほど多くの下振れリスクがある」とも述べており、追加緩和の可能性は排除していない。

(7日)
 東京市場で、ドル円は小動き。日本時間午後9時半の米雇用統計発表を前にして、積極的な取引は手控えられている。ドル円は105.50台を中心とした揉み合いが続いた。ユーロドルは軟調。朝方の1.1880台から売られ続けて、1.1810台まで下落した。前日NY市場後半の上昇を解消している。ユーロ円も125.40付近から124.80台まで下落した。米雇用統計前のポジション調整の動きとみられている。クロス円に下げについては、米中関係の悪化が重石となった面も。トランプ大統領はこれまで話が出ていたTikTokとウィーチャット(微信)に関する取引禁止の大統領令に署名したと発表し、中国からの反発を含め警戒感に。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米雇用統計の発表を控えて、前日のドル安の動きに調整が入っている。また、ティックトックなどをめぐり米中関係が悪化していることがリスク警戒のドル買いにつながったとの見方もあった。米株先物や欧州株が軟調に推移している。ドルの買い戻しとともに原油相場も軟調。ドル円は105円台半ばから105.70台へと小幅上昇。ユーロドルは1.18台半ばから1.1810近辺へ、ポンドドルは1.31台前半から1.3085近辺へと下落している。豪ドル/ドルも0.72台前半から0.72ちょうど近辺へと小安い。6月ドイツ貿易収支が156億ユーロに黒字を拡大。輸出入ともに増加しており、悪い内容ではなかった。また、トルコリラが連日の安値更新となっており、市場ではトルコ中銀の利上げ対応を想定する声もでていた。

 NY市場はドル買い戻しが優勢となり、ドル円も買い戻しが優勢となった。一時106円台に上昇する場面もみられている。この日は米雇用統計が発表になったが、労働市場の改善を示す内容ではあったが、改善のペースが鈍化したことに懸念も示されている。米労働市場の回復基調を示唆したというよりも、「7月は弱さを見せなかった程度」との指摘も出ていた。

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執筆者 : MINKABU PRESS

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