【これからの見通し】週明けもリスク選好の流れ続きそう、悪材料消化しながら
【これからの見通し】週明けもリスク選好の流れ続きそう、悪材料消化しながら
週明けは、株高の動きが強まっており、為替市場ではリスク選好的な円安の動きがみられている。先週はトランプ米大統領会見では、市場が懸念していたような厳しい対中制裁措置は講じられなかった。香港との関係が微妙にはなってきているものの、正面を切って中国との貿易に制裁を加えるようなことは回避されていた。加えて、週末に発表された中国製造業PMIや、きょう発表された同財新製造業PMIなどが改善したことも好材料となっている。
中国・香港株は大幅高で今週の取引をスタートしている。上海株は2%高、香港株は3%超高と堅調な動き。日経平均も買われている。為替市場では、ドル円は107円台後半で停滞しているものの、クロス円は全般に堅調に推移している。NY原油先物の急伸も加わって、豪ドル円は71円台後半から72円台半ばまで買われた。
その一方で、新たな不安材料もでてきている。米国では白人警官による黒人殺害が全米に怒りの火と燃やすこととなっている。デモが過激化しており、略奪などの事態を招いている。トランプ米大統領は軍隊の導入も辞さないとしている。せっかく経済再開を始めた米国だが、この混乱が成長に水を差さないのか不安視する声もでている。
先はも中国全人代での香港国家安全法の制定が採択が市場に波乱材料となっていたが、この週末の全米デモの混乱はどうなるのか。市場は再び悪材料を消化しながら、リスク選好の流れを続けることができるのか。週明けの米欧市場の動向が注目されよう。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、英独仏ユーロ圏などの製造業PMI・確報値(5月)、香港小売売上高(4月)、カナダ景気先行指数(4月)、米製造業PMI・確報値(5月)、米ISM製造業景気指数(5月)、米建設支出(4月)など。米ISM景気指数の5月にどの程度の回復をみせているのかがポイントとなりそうだ。
講演・イベント関連では、きょうは目立った米欧金融当局者の講演予定はみられていない。キリスト教関連の祝日で、ドイツ・フランス・ノルウェー・スイスなどの株式市場は休場。NY市場に入ってからの市場動向に市場の視線が集まることとなろう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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