対中関税は大統領選挙後まで継続との報道でドル円に戻り売り=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は戻り売りが出ており、109円台に値を落している。ブルームバーグが関係者の話として、「対中関税は大統領選挙後まで継続」と伝えたことに反応している模様。中国からの輸入品に米国が現在課している関税は、11月の米大統領選挙が終わるまで維持される可能性が高く、引き下げの有無は中国による第1段階合意の順守状況次第だという。
きょうのNY為替市場でドル円は110円ちょうど付近での推移。心理的節目の110円台を回復し、東京時間の早朝には一時110.20円近辺まで上昇する場面も見られた。ただ、さすがに一服感もあるのか、ロンドン時間には戻り売りも見られ、109円台に値を落としていた。しかし、109円台に入ると買いも入り下値はサポートされている。きょうこれまでの動きを見た限りでは、まだ上値追いのモメンタムは残っている模様。
一部からは、「関税が大統領選挙後まで継続」というのは何も新しい話ではないとの声も聞かれる。元々、今回の合意によって12月に追加予定だった関税を見送っただけで、現行の関税は残っているという。それは第2段階の交渉で、トランプ大統領は、第2段階の合意は大統領選挙後と述べていた。なお、一部の関税については、2月中旬から半分に引き下げられる予定。いずれにしろ、市場自体が少し期待し過ぎている面はあるのかもしれない。
ユーロドルは、朝方の米消費者物価指数(CPI)の発表を機に下げ渋る動きが見られている。ただ、200日線が1.1140ドル近辺に来ているが、その水準が強い上値抵抗となっている模様。ユーロ自体の手掛かり材料は乏しく、ドルの行方に左右される状況が続いている。
市場はラガルド新総裁のもと、今年のECBの動向に注目しているが、一部からは今年は金融政策は維持されるのではとの声も出ている。ECBの金融政策は現在、自動操縦の状態になっており、すぐに行動する必要はないのではとの見方も少なくない。そのような中で市場はむしろ、予定している「戦略見直し」に焦点を移しているようだ。
ポンドドルもNY時間に入って買い戻しが見られ、1.30ドル台を回復している。ここに来て市場では、英中銀の利下げ期待が高まっており、今月末の英中銀政策委員会(MPC)での利下げ確率は50%まで上昇。ポンド売りの動きも見られているものの、ポンドドルは1.29ドル台では買いも入るようで、1.30ドル台は維持されている状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。