為替相場まとめ10月19日から10月23日の週
19日からの週は、前半は方向感を欠く揉み合いが続いたが、後半にかけてはリスク回避の円買いが相場を主導した。週初から中盤にかけてドル円は、中東情勢への警戒や底堅いドル高期待を背景に158円台半ばまで上昇し200日線を試す場面もあったが、為替介入や当局者の牽制への警戒感が上値を抑え、158円を挟んで膠着状態となった。しかし、週後半に入ると米半導体企業の決算などを契機に世界的なAI関連・ハイテク株安が広がり、投資家の資金が安全資産へ向かう形でリスク回避の円買いが急加速。ドル円は一気に200日線を下抜けし、一時156円台前半まで急落した。ドルストレートでは、ユーロドルがフランスの財政不安や指標悪化を背景に上値が重く、一時1.11ドル台へ軟化したものの、下値は堅く1.12ドル台を中心に底堅さを保った。ポンドドルは英雇用統計の改善や強いインフレ指標を背景に利上げ期待が再燃し、1.34ドル台を回復するなど相対的な強さを見せた。クロス円は週前半こそ底堅く推移したものの、後半の株安を受けた円高進行に抗えず、ユーロ円が175円台へ、ポンド円が209円台へと大きく水準を切り下げる荒れ模様の展開となった。
(19日)
東京市場のドル円は午前中に一時下落するもその後反発した。中東情勢への警戒や株安を受けた円買いで157.70円まで下げたが、日経平均が下げ幅を縮め、原油高が一服すると158.15円を付けた。ユーロドルはフランスの大規模デモ警戒から1.1183ドルまで急落後、1.1230ドル前後へ反発。ポンドドルは1.3339ドルまで上昇した。
ロンドン市場は、原油先物下落からドル売り円買いが先行し、ドル円は157.90円割れまで下落した。しかしユーロ安ドル高が波及するとドル全般の買いとなり158.20円台へ反発。ユーロドルは1.1190ドル割れまで下落後に1.1230ドル前後へ買い戻された。ポンドドルは対ドルでの下げが限定的で1.3340ドル台へ反発した。
NY市場では、買いが継続しドル円は158円台半ばまで上昇して200日線を試す動きとなった。米国債利回りのプラス推移が支えとなったが、為替介入警戒感から上値は慎重だった。ユーロドルはフランス財政懸念がある中でも1.12ドル付近で底堅く推移。ポンドドルは1.33ドル台前半で推移し、英秋季予算案への思惑が交錯した。
(20日)
東京市場のドル円は午後に入り円買いが強まった。朝方は海外市場の流れを引き継ぎ158.60円まで上昇したが、アジアのハイテク株安に伴うリスク警戒の円買いや牽制警戒感から午後には158.09円まで下落した。ユーロドルは仏情勢への警戒がくすぶるも底堅く、独PPIの強さや英雇用統計の改善波及で1.1235ドルまで上昇。ポンドドルも英失業率の改善を好感し1.3357ドルまで上昇した。
ロンドン市場では、ドル円は朝方に158.03円まで軟化した後、158円台前半の狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロドルは10月の独ZEW景況感指数の悪化を受けて1.1230ドル台から1.1205ドルまで急落。ポンドドルは英雇用統計の予想外の改善で1.3359ドルまで急伸したが、その後のユーロ安に連れ安となり上値を抑えられた。
NY市場では、米住宅指標の下振れや中東協議進展の未確認情報を背景にドル売りが優勢となり、ドル円は一時157円台に下落したが、情報否定後に158円台へ買い戻された。ユーロドルは買い戻しが入り一時1.1260ドル近辺まで上昇し、フランス情勢不安のなかでも底堅さを見せた。ポンドドルは一時1.34ドル台に上昇しリバウンド傾向を示した。
(21日)
東京市場のドル円は午後にやや円買いとなった。朝は158.39円まで上値を伸ばしたが、日銀の氷見野副総裁が追加利上げを示唆する発言を行うと円買いが優勢となり、午後には158.04円まで下落した。ユーロドルは上値が重く、午後にかけて1.1218ドルまで軟化した。ポンドドルは英CPIが予想を上回ったことで1.3386ドルまで急伸したが、すぐに反落して発表前の水準に戻すなど乱高下した。
ロンドン市場では、ポジション調整主体のドル売りが進み、ドル円は157.80円台まで下落した。ユーロドルは1.1230ドル台へ小幅に上昇。ポンドドルは英物価統計発表後の荒い値動きを経て再び買いが優勢となり、1.3400ドル台に乗せた。ユーロ円やポンド円はドル円の下落につれて軟化し、ポンド円は212円手前で上値を抑えられた。
NY市場では、ドル円は一旦157円台に値を落としたものの158円台に戻し、158円を中心とした膠着状態が続いた。フランス国債利回りの上昇など不透明感は続くものの相場への影響は限定的だった。ユーロドルは1.12ドル台前半での上下動が続いた。ポンドドルは英労働市場の改善兆候などを背景に1.34ドル台回復を試す底堅い展開となった。
(22日)
東京市場はアジア株安を受けてリスク回避の円買いが加速した。米ラムリサーチの決算を受けた時間外での株価急落が引き金となり、日経平均などアジア株が大幅に下落すると、ドル円は朝方の158.20円前後から157.06円まで1円超下落した。クロス円も全面安となりユーロ円やポンド円が急反落。一方、ユーロドルやポンドドルはドル安主導で底堅く推移した。
ロンドン市場でもリスク回避の円買いが一気に進んだ。欧州株安も重石となり、ドル円は10月安値を割り込んで156.69円まで急落。ユーロ円はストップロスを巻き込んで昨年11月以来となる175.55円まで下げを加速し、ポンド円も209.48円まで急落した。ユーロドルは対円でのユーロ売りに押されて1.1190ドル台へ下落し、ポンドドルも1.3361ドルまで軟化した。
NY市場では、AI関連株への懸念から安全資産への資金逃避が強まり、米国債やスイスフランとともに円が買われ、ドル円は一時156円台へ下落して200日線を下放れた。ユーロドルは戻り売りが優勢となり一時1.11ドル台に下落した。ポンドドルは底堅い値動きが続き、一時下落するも1.34ドル台に買い戻された。
(23日)
東京市場のドル円は朝方に円買いが先行したがその後反発した。前日の米ナスダック大幅安を受け、一時156.08円まで下落したが、城内経済財政相のデフレ脱却に関する発言で追加利上げ期待が後退すると157.12円まで反発した。クロス円もドル円に連動して反発。ユーロドルは朝方に1.1227ドルを付けた後、ドル円反発に伴い1.1208ドルまで軟化した。
ロンドン市場では、ドル円は東京からのドル買い・円売りの流れを引き継ぎ157.16円を付けたが、世界的なAI関連銘柄への信用不安が再燃し、再びリスク警戒の円買いとなって156.50円台へ反落した。ユーロドルはフランスとユーロ圏のPMIが予想を下回ったことを受けてユーロ売りが誘発され、1.1185ドル前後まで軟化した。
NY市場でドル円は157円台に買い戻されていたものの、再び156円台に戻す展開。ドルは底堅く推移しているものの、それ以上に円高がドル円を圧迫している。200日線を下放れた状況が続いており、155円を割り込むようなら、短期的に160円を目指す流れから150円を目指す流れに逆転しそうな気配も出ている。円高の背景にAIを巡る過剰投資への懸念や信用不安が言われている。安全資産の米国債が買われ、米金利が落ち着きを取り戻していることもドル円の重しとなっている。一部のストラテジストからは「IT・ハイテク株の下落が続けば、円高が一段と進む可能性がある」との指摘も出ている。
執筆者 : MINKABU PRESS
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