【中銀チェック】ECBは据え置き見込み
23日21時15分にECB理事会の結果が発表され、同日21時45分ごろからラガルドECB総裁の会見が行われます。6月の理事会ではインフレ警戒もあって利上げに踏み切り、中銀預金金利を2.00%から2.25%としたECBですが、今回は据え置きが見込まれています。
前回の利上げは中東情勢を受けたインフレ警戒によるものでした。ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、米国による対イラン軍事作戦の開始前となる2月時点の前年比+1.9%から、5月には+3.2%まで上昇。インフレターゲットの2.0%を大きく上回る伸びとなったため、利上げで対応する形となりました。
その後、原油高が一服したこともあり、6月の消費者物価指数は+2.8%まで鈍化。変動の激しいエネルギー、食品、アルコール、たばこを除いたコア消費者物価指数も+2.6%から+2.4%へ鈍化しました。さらに、国内の需要動向を色濃く反映することからECBが重視している「サービスインフレ」も+3.5%から+3.2%へ鈍化しており、金利をいったん据え置いて様子見に回る余地が出てきています。
短期金利市場における今回の据え置きの織り込み度は88%(利上げは12%)となっており、現状維持はほぼ織り込まれている状況です。そうした中、最大の注目は「今後に向けての姿勢」となります。
原油価格の落ち着きに伴い6月の物価上昇率は鈍化したものの、依然として+2.8%とターゲット(2.0%)を大きく上回っていること、またサービスインフレも3.2%と高水準にあることから、市場では9月のECB理事会での利上げを見込む動きが大勢を占めています。足元で米国とイランの対立が再び激化し、7月初旬に67ドル台だったNY原油先物(WTI)が80ドル台へ急反発するなど、原油価格が再び上昇傾向にあることも次回以降の利上げ期待をサポートしています。
なお、9月利上げに対する市場の織り込み度は90%前後と、こちらもほぼ織り込まれている状況です。ただ、一部で慎重姿勢が見られることや、9月までまだ時間があることなどから、完全に織りこんだとまでは言えない水準です。このため、ラガルド総裁が会見でインフレリスクを強く警戒する姿勢を示した場合、9月利上げ期待がもう一段高まる形で、ユーロ高につながる可能性があります。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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