【本日の見通し】米利上げ期待が高まる中で、CPIや議会証言に注目
【本日の見通し】米利上げ期待が高まる中で、CPIや議会証言に注目
昨日は中東情勢の緊迫化を受けてドル高が強まった。東京市場からロンドン午前にかけては、中東情勢への警戒に加えてGPIF絡みでの動きが見られた。週末の米国とイランとの対立激化を受け、週明けは有事のドル買いが強まる形でスタート。東京午後には通信社が「(金曜日の)片山財務相発言はGPIFの資産構成比率の変更を意図したものではなく、骨太ショックの鎮静化が主眼」と報じたことで円売りが強まった。その後、木原官房長官が「GPIFのポートフォリオは、必要があれば修正が可能」と発言し、いったん円買いが強まる場面もあった。しかし、最終的に「GPIFが適時適切に検証・判断する」としたことで、政府としてポートフォリオの変更を促す意図はないと認識され、再び円売りへと傾いた。
その後は、中東情勢への警戒を受けたドル高が優勢となった。米国はイランの港湾封鎖を宣言。トランプ大統領はホルムズ海峡を通過するすべての船舶に対し、貨物価値の20%に相当する対価(通行料)を支払うよう求めると述べている。
さらに、ウォラーFRB理事のニューヨーク企業エコノミスト協会(NYABE)での講演もドル高を後押しした。理事は「FOMCは短期的な利上げを検討する必要がある」との認識を示し、2日の米雇用統計の弱い結果を受けて早期利上げ期待が後退していた市場では、一転して利上げ期待が再燃。短期金利市場では今月のFOMCでの利上げを一時50%程度見込む動きとなり、その後も40%台で推移するなど、利上げと据え置きの見通しが拮抗する状況となった。年内についても「2回以上の利上げ」の見通しが多数派となっている。
こうした状況の中、今日は6月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。5月から6月にかけては原油高が一服し、ガソリン価格なども低下したため、前回からの鈍化が見込まれている。コア項目でも、前回強めに出たアパレル関連は落ち着きが出ると期待されており、小幅な鈍化予想だ。ただ、住居費などの項目次第ではコアが横ばい、もしくは小幅高となる可能性も十分にある。この場合、利上げ期待がもう一段押し上げられ、ドル高が進む可能性がある。
また、今回はウォーシュFRB議長にとって初めてとなる金融政策報告書(ハンフリー・ホーキンス報告書)に関する議会証言が、下院の金融サービス委員会で行われる。10日に公表された金融政策報告書では、AIデータセンターの建設ラッシュなどに伴う物価高の影響が指摘され、物価安定への強い姿勢が示された。今回の議会証言でも同様の姿勢が強調されるようだと、利上げ期待をさらにサポートしそうだ。
ドル円は、1日に付けた直近高値162.84円を超えての推移となる可能性が十分にありそう。介入警戒感はあるものの、中東情勢などを背景としたドル高主導の地合いでは介入効果が限定的になりやすいこともあり、当局の姿勢はやや慎重とみられている。163円台に乗せてくる展開も意識しておきたい。
ユーロドルはドル高を受けて上値が重いものの、1.13台後半からの下押しには少し慎重な構え。戻り売りの流れが継続すると見ている。1.14台を回復する場面では売りが出そうだが、ここからの下押しの勢いがどこまで出るかが焦点。米CPIや議会証言などの材料に伴ってドル高が加速すればユーロドルの動きも大きくなる可能性があり、展開次第では1.1300ドルに向けた下落も見込まれる。
ユーロ円は中東情勢に絡んだドル主導の展開で、やや不安定な動き。185.00円を中心に、次の方向性を見極める時間帯となりそうだ。
ポンドドルはドル高を受けて1.3350ドルを割り込む場面が見られた。戻りでは依然として売りが出やすく、1.3400ドル手前が重くなりそうだ。ユーロドル同様、ここからさらに一段安となるかは米CPIなどの結果次第となろう。
ポンド円も不安定な動きが見られる。ドル主導の地合いがもう少し続きそうで、方向感のはっきりしない展開が見込まれる。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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