ドル円は142円台半ば 日銀の年内利上げ期待は遠のく=NY為替
その後、ドル円は142円台半ばでの推移となっている。ドル安が続いているほか、本日はトランプ政権によるエヌビディアの中国向け輸出に対する規制のニュースもあり、リスク回避の円高も加わっている。ドル円は一時142円割れを試す場面も見られていたが、その水準は維持されている。
142円付近に強い下値抵抗も観測されているようだが、時間の問題との見方もありそうだ。142円をブレイクすれば、140円までは早いとの指摘も出ている。
日銀は4月30日と5月1日に決定会合を開くが、成長見通しを下方修正する見通しだと伝わっている。ロイター通信が関係者の話として伝えた。一方、トランプ関税がどの程度の打撃になるかについて、日銀内にコンセンサスはまだないとも伝えている。日本が貿易交渉で適用除外を得られるかに左右される面もあるという。
また、植田総裁がトランプ関税を受けた日本経済への影響に懸念を示し、今後の金融政策の見直しの可能性に言及したとの報道も伝わっていた。産経新聞が伝えた。総裁はインタビューで、米関税政策が2月以降、悪いシナリオの方に来ていると指摘。そこまで悪いことは起きないだろうという淡い期待感が消えたという。米関税政策が国内経済に対する下押し圧力となった場合は、政策的対応が必要になるかもしれないが、情勢の変化に応じて適切に判断する」と語った。
市場では年内の日銀の利上げ期待が再び後退している。短期金融市場では、市場が混乱した先週9日に年内利下げの可能性がほぼ消滅していたが、その後は回復し、前日は64%程度まで上昇していた。しかし、本日は40%程度に再び低下している。
USD/JPY 142.55 EUR/JPY 162.18
GBP/JPY 188.90 AUD/JPY 90.94
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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