来週のECB理事会、サプライズの可能性も=NY為替
本日の為替市場はドル安が強まっており、ユーロドルは急伸。一気に1.12ドル台まで上昇し、一時1.1240ドル近辺まで上げ幅を広げている。2023年7月以来の高値水準。ただ、ユーロが買われているというよりも、ドルが売られている展開。
来週はECB理事会が予定されている。短期金融市場では90%の確率で追加利下げを織り込んでいるが、ここに来て据え置きのシナリオも浮上しており、もしそうなれば、かなりのサプライズとなりそうだ。
トランプ関税が「その日に決まり、翌日に保留となる」日替わり状態となっている中、このような不確実性が来週の理事会でECBが政策を据え置く明確な理由になるとの指摘が一部から出ている。
トランプ大統領は90日間の猶予期間を設けると発表したが、大統領とその政権は、米国債の急落(利回り上昇)を避けたがっていることを考えると、関税を復活させる可能性は低いと見ているという。
トランプ大統領が関税に関するテープを巻き戻す数時間前、EUは4月中旬に発効予定の約230億ドル規模の報復関税を承認していた。トランプ大統領は報復措置を表明した中国への関税を合計で145%(相互関税125%、薬物20%)まで引き上げたが、EUについては特に言及はなかった。
ECBは本日から金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入り、来週の投票についてはほぼ独力で判断するしかない。ただ、ECB理事のホルツマン・オーストリア中銀総裁は前日に「トランプ大統領の通商政策がもたらす不確実性が解消するまで追加利下げの検討を控える必要がある」との考えを示していた。
EUR/USD 1.1217 EUR/JPY 162.18 EUR/GBP 0.8641
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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