ドル円、155円台後半まで戻す=NY為替序盤
きょうの為替市場、NY時間に入ってドル買いが優勢となっており、ドル円も155円台後半まで戻している。前日はウォラーFRB理事の利下げ継続に前向きな発言で、ドル売りが強まり、ドル円も本日の東京時間に瞬間的に154円台まで下落していた。ウォラーFRB理事は、インフレ指標が順調に進めば、年内に3回か4回の利下げの可能性があると述べていた。
今週のインフレ指標でFRBの利下げ期待が復活しているが、力強い雇用や底堅い個人消費から、インフレの先行きについては慎重な見方も根強い。「来月の米CPIも落ち着いた内容となれば、追加利下げが再び選択肢として浮上する可能性はあるが、あくまでそれを確認する必要がある」といった声も聞かれる。
一方、日銀が来週の決定会合で追加利上げを行うとの見方が強まっている。植田総裁や氷見野副総裁も利上げを議論すると述べ、観測報道も広がり、9人の委員の過半が追加利上げを支持する見通しとの報道も流れていた。
短期金融市場では来週の利上げの確率を90%近くに高めているが、今週の動きでほぼ織り込み済みといった雰囲気で、当日は次のヒントを探る会合になりそうだ。ただ、タカ派な利上げになる可能性は低く、強い円高の反応は期待しにくいといった声も聞かれる。
今回は「総裁や副総裁が講演などを通じて事前に市場に織り込ませ、当日は変なサプライスを起こさない」という、中央銀行のあるべき賢明なオペレーションになるのかもしれない。
なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は155円に観測。
17日(金)
155.00(17.9億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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