【これからの見通し】今週は仏韓の政治情勢がかく乱、きょうの米雇用統計で12月利下げ確定的となるか
【これからの見通し】今週は仏韓の政治情勢がかく乱、きょうの米雇用統計で12月利下げ確定的となるか
今週はフランスと韓国の政治情勢が市場のかく乱材料となっている。フランスはバルニエ政権が崩壊した。しかし、市場ではフランス債の下落は一巡しており、今後の情勢を見極める段階となっている。韓国についての尹大統領が非常厳戒を発動、数時間後の撤回、そして弾劾に向けた動きとなっている。こちらも初動の円買い反応のあとは市場は冷静さを取り戻している。
今週のドル円相場は振幅が激しい。韓国関連の報道で148円台に一時下げたがその後は151円台まで反発。しかし、ハト派と目された中村日銀審議委員が12月利上げの可能性を否定しなかったことで150円割れとなる動きとみせた。足元では150円の節目水準を挟む水準で推移しており、週明けの水準と大差ないこととなっている。
このような状況下で、本日の米雇用統計(11月)発表を迎える。市場では非農業部門雇用者数の伸びを22万人程度と予想しており、前回の1.2万人増から大幅に回復する見込み。ただ、前回はハリケーンや大企業のデモなどの影響との見方が浸透しており、弱い数字にショックは見られなかった。今回は18-19万人といったこれまでの定番の予想水準よりはやや高い予想となっている。ただ、30万人近い強い結果とならなければ、市場における米12月利下げ観測には変化は見られないと想定されよう。
その他の経済指標は、ドイツ鉱工業生産指数(10月)、ドイツ貿易収支(10月)、ユーロ圏実質GDP(確報値)(第3四半期)、カナダ雇用統計(11月)、カナダIvey購買部協会指数(11月)などの発表が予定されている。カナダ雇用統計について、市場では雇用者数が前回の1.45万人増から2.5万人増に伸び、失業率は6.5%から6.6%に上昇すると予想している。来週のカナダ中銀会合では50bp利下げが市場予想となっている。米雇用統計とともに市場の利下げ観測の変化があるのかををチェックしたい。
発言イベント関連では、ボウマンFRB理事、グールズビー・シカゴ連銀総裁、ハマック・クリーブランド連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などの講演や討論会出席が予定されている。今週末からはFOMCを控えてブラックアウト期間入りとなる。米雇用統計結果を受けた12月利下げ見通しに関する言及が注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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