【これからの見通し】トリプルレッドでドル高進行、きょうはパウエル議長講演
【これからの見通し】トリプルレッドでドル高進行、きょうはパウエル議長講演
ドル高が進行している。ドル指数は年初来高値を更新している。昨日にはようやく米下院での共和党過半数獲得が確定した。これで、政府・上下院の3者が共和党の赤色に染まり、トランプ政権の運営がやりやすくなることとなった。これを受けて、いわゆるトランプトレードが一段と強まっている。
ドル円は一時156.14レベルと7月23日以来の高値水準となった。市場では155円を超えたあたりから介入警戒感が意識されている。しかし、ドル相場が全面高となるなかで、円安抑制のための介入の効果には疑問もみられる。ドル高が落ち着く中での円独歩安とならなければ、介入実施のタイミングはつかみにくい状況だ。前回介入が実施された160円超えをメドとする見方も散見されている。
ドル高が進行するなかで、きょうは米国発の材料に注目が集まりそうだ。経済指標では生産者物価指数(PPI)(10月)と新規失業保険申請件数(11/03 - 11/09)が発表される。昨日の米消費者物価指数が想定通りの結果となり一時ドル売り反応がみられたが、その後ドル高軌道に戻した経緯がある。生産者物価指数の予想は、前年比+2.3%(前回+1.8%)、コア前年比+3.0%(前回+2.8%)といずれも伸びが加速する見込み。新規失業保険申請件数は22.0万件(前回22.1万件)と前回並み水準が見込まれている。
そして最も注目されそうなイベントが、パウエル米FRB議長講演だ。ダラス・フォートワース世界問題評議会で米経済見通しについて講演(質疑応答あり)を行う。質疑応答が予定されており、足元の市場テーマとなっているトランプ政権の政策がインフレや金融政策に与える影響について、どのような見方が示されるのか。もしくは、回答を留保するのか。そのメッセージが待たれるところだ。海外からはインフレ高進やドル高の影響などに対する警戒感が示されている。
その他のイベントは欧州関連が多い。経済指標ではユーロ圏鉱工業生産指数(9月)、ユーロ圏実質GDP(改定値)(2024年 第3四半期)などが発表される。鉱工業生産は前月比でマイナスに転じる見込み。GDP改定値は速報値と同水準が予想されている。発言イベント関連では、デギンドスECB副総裁、クーグラーFRB理事、マン英中銀委員、シュナーベルECB理事、ベイリー英中銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ECB議事録(10月16日-17日開催分)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。ディズニー、アプライド、メーシーズなどの米企業決算も注目されよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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