【これからの見通し】ドル円152円台乗せ、ドル高とともに円安の面も、植田日銀総裁発言に注目
【これからの見通し】ドル円152円台乗せ、ドル高とともに円安の面も、植田日銀総裁発言に注目
今週は米債利回りの上昇とともにドル買い圧力が働いている。ドル指数は200日線を上回り、8月2日以来のドル高水準になっている。そのなかでもドル円の上昇スピードの速さが際立っている。ここ1カ月程度で5%超のドル高・円安の進行となっている。その他主要国通貨に対しては2%台から3%台のドル高にとどまっている。ドル全面高ではあるが、そのスピードはまちまちだ。ちなみに、リスク回避で買われやすいスイスフランに対しては2%弱のドル高にとどまっている。
円売り材料としては、石破内閣発足以来、政府・日銀の連携が確認されるなかで、石破首相が利上げに難色を示したことが挙げられよう。植田日銀総裁も利上げを急ぐ状況にはない、としている。そのなかで、きょうはIMFイベントの一環として植田日銀総裁がIMFアジア太平洋局長と「日本のインフレと金融政策について」対談形式で講演を行う。建前としての利上げ路線と、現実的な利上げを急がない姿勢のどちらが強調されるのか。そして、ポイントとしては、ここ1カ月で10円以上の円安進行となっているドル円相場について、どのような評価を下すのか。円安進行による輸入インフレを抑制するためには利上げが必要との論点も想定される。IMFは「日本はインフレの持続性に自信を深めており、緩やかな利上げ路線を維持すると予想」としている。きょうのイベントに対する注目度は高そうだ。日本時間24日午前4時にNY市場終盤に実施される予定。
この後の海外市場で発表される経済指標は、南ア消費者物価指数(9月)、米MBA住宅ローン申請指数(10/12 - 10/18)、米中古住宅販売件数(9月)、カナダ中銀政策金利(10月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(10月)など。カナダ中銀は50bp利下げ予想が優勢。しかし、25bp利下げ予想も1/3程度はあり、結果にはカナダドルが敏感な反応を見せそうだ。
発言イベント関連では、上記の植田総裁講演のほかにも多く予定されている。ボウマンFRB理事、ブリーデン英中銀副総裁、ラガルドECB総裁、レーンECBチーフエコノミスト、チポローネECB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、オアNZ中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ベイリー英中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁などがIMF(国際通貨基金)やIIF(国際金融協会)などのイベントで登壇する予定。日程的には植田総裁講演がトリを取ることとなる。
その他にも、米週間石油在庫統計、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などが予定される。米企業決算では、ボーイング、AT&T、コカ・コーラ、Tモバイル、IBM、テスラ、ラムリサーチなどが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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