【これからの見通し】米FOMCは50bp利下げ、不透明感が晴れてリスク選好 きょうは英MPC
【これからの見通し】米FOMCは50bp利下げ、不透明感が晴れてリスク選好 きょうは英MPC
注目の米FOMCでは50bpの大幅利下げが発表された。パウエルFRB議長の会見では、今後の政策の軸足がインフレ対策から雇用情勢へと移動することが示唆された。市場では年内にあと75bp程度の追加利下げが見込まれてきている。
発表後の相場は激しく振幅した。ドル円は142円前後から140円台半ば割れまで下落も、引けにかけて142円台へと上昇した。米株はやや売りに押された。今日の東京市場では日経平均が一時1000円超高と買われ、ドル円は143.95近辺まで急伸。足元では142円台後半で推移している。
激しい値動きとなり、短期トレーダーにとってはリスキーな相場展開となっている。しかし、先週後半に有力FEDウォッチャーが50bp利下げの可能性もあることを発信したことから、139円台半ば付近までドル売りが進行した経緯があった。米FOMC後の値動きは元に来た道を戻る格好となっており、既知感のある水準となっている。8月初頭の恐怖相場のような状況と比較すれば、中長期トレーダーの心理的な負担はかなり軽くなっているようだ。
次の材料としては、あすの日銀決定会合があるが、その前に本日は英中銀金融政策委員会(MPC)の結果が発表される。市場予想は政策金利据え置きが大勢を占めている。前回の会合では5対4の僅差で25bp利下げが決定された。ただ、直近のインフレ指標では、コアや特にサービスインフレが高水準にとどまっており、一段の利下げを手控えさせる状況となっているようだ。金利に関する投票の分かれ具合を確認したいところだ。今回はいわゆるスーパーサーズデーではなく、経済見通しやベイリー総裁会見は予定されていない。波乱なく通過することが期待されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英中銀以外にもノルウェー中銀預金金利(9月)、トルコ中銀政策金利(9月)、南ア中銀政策金利(9月)など各国の金融政策発表が相次ぐ。ユーロ圏では経常収支(7月)が発表される。米国では、経常収支(2024年 第2四半期)、フィラデルフィア連銀景況指数(9月)、新規失業保険申請件数(09/08 - 09/14)、景気先行指数(8月)、中古住宅販売件数(8月)などが発表される。FOMCで雇用情勢に関心が高まるなかで、新規失業保険申請件数の強弱を確認したい。市場予想は23.0万件と前回と同水準の数字が見込まれている。
発言イベント関連では、クノット・オランダ中銀総裁、シュナーベルECB理事、パネッタ伊中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、シュナーベルECB理事などECB当局者の発言機会が多く予定されている。足元では10月利下げ見送り、12月の追加利下げとのメッセージがおおいが、どうか。その他では、米10年インフレ連動債(TIPS)入札(170億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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