アジア株 上海香港は続落、米中対立がバイオ産業にも波及、米下院が「バイオセキュア法案」可決
アジア株 上海香港は続落、米中対立がバイオ産業にも波及、米下院が「バイオセキュア法案」可決
東京時間11:04現在
香港ハンセン指数 17140.90(-56.06 -0.33%)
中国上海総合指数 2727.51(-9.00 -0.32%)
台湾加権指数 21169.46(+25.02 +0.12%)
韓国総合株価指数 2539.85(+3.92 +0.15%)
豪ASX200指数 8035.60(+47.51 +0.59%)
アジア株はまちまち。
台湾、韓国、豪州は上昇。前日の米株大幅反発を受け買い優勢で始まった。8月の米雇用統計は雇用者数の伸びが予想に届かなかったものの、失業率は5カ月ぶりに低下した。米労働市場はそこまで弱くないとの見方が広がっており、米景気減速に対する過度な懸念が後退している。
一方、中国の景気減速懸念は一段と高まっている。
中国8月の生産者物価指数の下落幅は予想以上に拡大し4月以来の落ち込みを記録した。消費者物価指数は2月以来の高水準を記録したものの、悪天候で食料品価格が上昇したことが影響した。食料品を除く他の部門では総じて伸びが鈍化しており、デフレが長引くとの懸念が高まっている。不動産不況や若者の高い失業率などを受け消費者心理は悪化しており、節約志向が高まっている。都市部では人気のレストランやアパレルなど相次いで閉店に追い込まれているという。
今週末には小売売上高や住宅販売価格など8月一連の中国経済統計が発表されるが、総じて弱い数字になることが見込まれる。当局は「8月は悪天候が影響した」と言い訳するだけだろう。FRBの9月利下げ後に中国当局も主要金利を引き下げる可能性があるが、引き下げたところで効果は薄い。
米中対立激化懸念も一段と高まっている。
米下院が9日、特定の中国バイオテクノロジー企業および、その米国子会社からの政府調達を禁止する「バイオセキュア法案」を可決した。米中対立はハイテクだけでなくバイオ産業にも波及する。最初に影響を受けるのは、華大集団、華大智造、無錫薬明康徳新薬開発、コンプリート・ゲノミクス、薬明生物技術の5社になる。
香港株は反発して始まったが、米下院による「バイオセキュア法案」可決を受けマイナスに転じている。無錫薬明康徳新薬開発や薬明生物技術、石薬集団、国薬控股など医療品関連が総じて下落。上海株は続落、医療品関連が総じて下落している。無錫薬明康徳新薬開発は4.8%安、江中薬業は4.1%安、人福医薬集団は3.9%安。
執筆者 : MINKABU PRESS
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