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ドル円、先週の下げからの買い戻し優勢に=NY為替概況

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ドル円、先週の下げからの買い戻し優勢に=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は先週の下げからの買い戻しが優勢となった。先週のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演を受けて、為替市場はドル売りの反応を強め、ドル円も143円台に下落した。値ごろ感の買い戻しもあり、本日は144円台に戻したものの、上値では戻り待ちの売りも多く観測されている。

 議長は「政策を調整する時が来た。方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ次第」と語った。ある程度、想定通りの内容ではあったものの、為替市場はドル売りの反応を強めた。過度な反応との指摘もあるものの、市場は改めて利下げを意識している模様。短期金融市場では年内計1.00%ポイントまでの利下げを織り込む動きも見られている。

 また、先週のパウエル議長の講演と植田日銀総裁の国会での質疑応答を経て、ドル円の見通しの下方修正が相次いでいる。年末までに135円、2年以内に120円との予想も出ている。

 ユーロドルは一時1.12ドル台に上昇していたものの、1.11ドル台半ばまで伸び悩む展開。しかし、下値では買い圧力も根強い。本日はドイツIfo景況感指数が発表になっていたが、予想こそ上回ったものの、前回からは低下していた。これについてエコノミストからは、今回のIfo指数の低下はマクロ経済のさらなる悪化を示唆しており、ユーロにとっては悪いニュースとの指摘が出ている。8月調査のIfo指数は4カ月連続で低下した。

 しかし、市場ではECBの9月利下げをほぼ確実視していることもあり、Ifoへの短期的な反応は限定的だった。企業のセンチメントの減速は物価上昇の抑制に繋がる傾向があるが、これはかなり長期的で間接的なプロセスになるケースが多いという。今週は木曜日に8月のドイツ消費者物価指数(HICP)速報値が公表される。

 ポンドドルも上げが一服し、1.31ドル台に下落した。明日はスターマー英首相が演説を予定しているが、政府が約束している変化には時間がかかるとの慎重な認識を示すものと見られていることもポンドの上げを一服させている。

 ただ、ポンドに対する強気な見方は多い。米大手銀のストラテジストは、ドル安傾向が続くと仮定すれば、ポンドを買うべきと推奨している。年末時点の予想は1.35ドルを見込んでいるようだ。

 今年のポンドはG10通貨の中でベストパフォーマンスを記録している。FRBやECBと伴に英中銀も利下げモードに入ってはいるものの、相対的に緩やかな利下げになると見られており、ポンドはサポートされている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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