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為替相場まとめ6月17日から6月21日の週

為替 

 17日からの週は、ドル円が159円台に上昇した。前週の米FOMCでメンバーの金利見通しが年内1回利下げに後退したことがドル買い材料となった。加えて、日銀決定会合で国債購入減額が先延ばしとなったことが円売り圧力となり、ドル高・円安の双方からドル円相場を押し上げた。ドルストレートでは、相手先通貨が売られて、ドル買いの動きが広がった。フランスの政治情勢の不透明感がユーロ売り圧力となっている。20日にはスイス中銀が再度の利下げを発表、市場はサプライズ的にスイスフラン売りを強めた。英中銀は政策金利を据え置き、票割れも7対2と前回から変化しなかったが、微妙なバランスだったとの文言が利下げに傾きつつあるメンバーがいることを示唆していた。米為替報告書では、日本を「監視」対象に指定した。為替操作国には至っていないが、経常黒字などの水準に基づいて為替相場が日本に有利に働いているとの認識のようだ。一方、住宅指標などの米経済指標にはやや弱さが垣間見られたが、ドル買い圧力が強まる構図には変化はみられなかった。



(17日)
 東京市場は、落ち着いた週明け相場。ドル円は157.19近辺まで下押しされたあと、157.66近辺まで上昇。午後には157円台前半に戻して揉み合いに。ユーロ円は168.18-168.74レンジでドル円とともに上下動。先週末に日銀決定会合イベントをクリアした後で、動きにくい展開だった。ユーロドルは1.0700を挟んだ取引。フランスの政治情勢などが重石も、1.06台を売り込む勢いには欠けた。

 ロンドン市場は、ユーロの下げが一服。週末に仏極右勢力のルペン氏が「今月末の国民議会選挙で勝利した場合、マクロン大統領と協力する」「制度的な混乱を望んでいるわけではない」とコメントしたことが市場にやや安心感を与えた。ただ、独仏10年債利回り格差が一時81bpに拡大する場面があった。第1四半期ユーロ圏雇用コスト確報値が前年比+5.1%に上方修正され、前回第4四半期の+3.4%から上昇したことがユーロ買いを誘った面も。レーンECBチーフエコノミストは「7月理事会では賃金圧力を背景としたサービス・インフレについて十分な情報得られず」と述べ、早期の追加利下げについて否定的な面を匂わせた。ユーロドルは1.07を挟んだ振幅、ユーロ円は168円割れ水準から168.90台へと上昇。対ポンドでもユーロ買いが優勢。ポンドドルは1.26台後半でやや上値重く推移。ポンド円は199円割れ目前まで下押しされたあと、199円台後半に買い戻されている。ドル円は157.10台から157.70付近へと上昇。欧州株は反発して取引を開始も、一時下げに転じるなど限定的な動き。

 NY市場では、ドル円が一時158円手前まで上昇。ドル自体は方向感のない値動きとなっているものの、根強い円安がドル円の下値をサポートしている。先週のFOMC、日銀、米インフレ指標を通過して、ドル円は底堅く推移している。ただ、以前ほどドル高の勢いもないことから、160円を試しそうな雰囲気まではまだない。ユーロドルは先週の下げが一服し、1.07台に戻した。欧州議会選挙での右派の勝利、マクロン仏大統領の総選挙実施、フランスでのルペン氏率いる右派政党・国民連合(RN)の支持拡大、そしてフランス国債の急落といった一連の流れで、ユーロドルは売りが強まり、先週末には1.0670近辺まで下落していた。本日はフランス国債への売り圧力が一服しており、ユーロも下げを一服させている状況。ポンドドルも先週末の下げから1.27台に戻した。今週は19日に英物価統計、20日に英中銀金融政策発表が予定されている。

(18日)
 東京市場で、ドル円は157円台後半で推移。植田日銀総裁が国会答弁の中で、場合によっては7月会合での利上げもありうると発言したことで、若干円買いとなり157.52近辺まで軟化した。ただ、157.50レベルもつけられずに少し戻してもみ合うと、ロンドン勢が参加する時間帯に入ってドル買い・円売りとなり157.80台に再び上昇した。ユーロドルは朝方に1.0741近辺まで買われたあとは、上値が重くなり午後には1.0718近辺まで下押しされた。ユーロ円は一時169円台割れも、その後は169.30付近に買い戻された。豪中銀は市場予想通りの据え置き、声明では物価への警戒感を示し、少し豪ドル買いも、ほぼ想定内ということで影響は抑えられた。ブロック総裁の会見でも委員会で利上げを議論などタカ派の面が見られたが、豪ドル買いは限定的。

 ロンドン市場は、円売りとドル買いが優勢。朝方からは円売りが先行。欧州株が堅調、リスク動向の回復が円売りを誘った。この日はフランス債とドイツ債の利回り格差が小幅に縮小しており、欧州債券市場の混乱も一服。ドル円は157円台後半から158円台に乗せている。クロス円も買われ、ユーロ円は169円付近から169円台後半へ、ポンド円は200円付近から200円台後半へと上昇。その後は次第にドル買いが優勢に。このあとのNY市場で米小売売上高や米鉱工業生産が発表される。いずれも前回からの改善が見込まれており、米債利回りが上昇。また、独ZEW景況感指数が前回から小幅の上昇にとどまり、市場予想を大きく下回ったことがユーロ売りとなる面もあった。ユーロドルは1.07台前半で、ポンドドルは1.27台割れから1.26台後半へと上値重く推移。ユーロ対ポンドでは、ユーロ買いが先行したが、その後は戻す動き。

 NY市場では、ドル売りが優勢。5月の米小売売上高が前月比0.1%増と予想を下回り、前回分も増加から減少に下方修正された。インフレ鈍化への期待を示す内容で米国債利回りが低下したことから、ドル円も157円台に値を落とした。この日は複数のFOMC委員の発言が伝わっていた。経済指標次第の姿勢を強調し、それが予想通りの展開であれば、年内の利下げの可能性に言及。一方、利下げには忍耐強くあるべきとも述べており、慎重姿勢も滲ませていた。ユーロドルは1.07台で上下動。右派のルペン氏率いる国民連合(RN)が政権を取るリスクは、同国の債務に対する懸念を呼び起こし、投資家は6月30日と7月7日に行われる選挙を前にユーロへのエクスポージャーを減らしているとの分析があった。ポンドドルはNY時間に入って1.27台まで買い戻されたものの上値の重い展開が続いている。明日の英物価統計、木曜日の英MPC待ちとなっている。

(19日)
 東京市場は、様子見ムード。本日は米国市場がジューンティーンスで休場となることから、動きにくくなっている。ドル円は157円台後半で19ポイントのレンジ取引。ユーロ円は169円台半ば付近での推移、ユーロドルは1.07台前半で9ポイントのレンジにとどまっている。日本時間午後3時に英消費者物価指数では前年比+2.0%、コア前年比+3.5%と市場予想通り、一方でサービスCPIは+5.7%と予想ほど鈍化せず、発表後のポンド買いを誘った。

 ロンドン市場は、全般に小動き。このあとのNY市場が奴隷解放記念日「ジューンティーンス」祝日のため休場となることから、米債取引などの手掛かりに欠け、積極的な取引は手控えられている。ドル円は157円台後半、ユーロ円は169円台、ユーロドルは1.07台前半から半ばでの振幅。足元ではやや円安・ドル安の動きが優勢。そのなかではポンドが堅調に推移。日本時間午後3時に発表された5月の英消費者物価指数は前年比+2.0%と前回の+2.3%から低下、英中銀のインフレ目標水準に約3年ぶりに戻した。しかし、サービスインフレが前年比+5.7%と依然として高水準だったことで、市場での英早期インフレ期待がやや後退、ポンド買いにつながった。ポンドドルは1.27ちょうど付近から前半へと小高く推移。ポンド円は200円台前半から201円台へと買われている。対ユーロでもポンド買い先行も足元では戻す動き。

NY市場は、奴隷解放記念日「ジューンティーンス」祝日のため休場。 

(20日)
 東京市場は、円安水準で小動き。ドル円は朝方に158円割れとなる場面があったが、押しは浅く午後には前日高値を小幅に上回る158.19近辺まで買われた。米10年債利回りの上昇や、日経平均が上げに転じたことがドル高・円安傾向につながったが、この後のスイス中銀(SNB)や英中銀(BOE)による政策金利の発表を前に様子見ムードが広がり、上値も限定的となった。ユーロ円は169円台後半で付近で小動き。豪ドル円は2007年以来17年ぶりの高値水準となる105.58付近まで、スイス円は史上最高値の179円ちょうど付近まで水準を切り上げた。ユーロドルは、朝から13ポイントレンジと落ち着いた動きとなった。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。序盤にはスイス中銀の利下げがフラン売り・ドル買いの動きを強め、全般的にドル買い圧力が波及した。発表前には据え置き観測がやや優勢も、利下げ観測も根強かった。連続利下げとなったことで市場はフラン売りを強めた。ジョルダン総裁は、最近のフラン高が金融情勢に影響を与える、為替市場にも積極的に関与していきたい、とした。為替介入は双方向で可能、とも述べており、フラン高抑制を匂わせていた。ドルスイスが0.88台前半から0.89台乗せまで急伸、ドル円は158.50手前へ上昇、ユーロドルは1.0710台、ポンドドルは1.27台割れまでドル買いの動きが広がった。欧州株や米株先物は堅調に推移し、クロス円はやや円安方向に振れている。その後に発表された英中銀金融政策では予想通り政策金利が据え置かれた。注目の票割れは7対2と前回と同様だった。ただ、声明で一部の委員にとっては「微妙なバランス」だったとしており、短期金融市場では利下げ観測が強まり、8月の利下げ開始が有力となってきている。ポンド売りの反応となっている。ポンドドルは1.2680付近に安値を広げ、ポンド円は201円台前半から201円割れへと反落。

 NY市場では、ドル円が159円に迫る動き。4月の財務省による介入直前の水準を回復して来ており、介入警戒感も高まりそうな位置に来ている。しかし、非常に落ち着いた値動きでの上昇で、財務省の言う「過度な変動」にはあたらない。朝方発表の米経済指標は概ね弱い内容となり、特に米住宅着工件数は2020年6月以来の低水準となっていた。FRBの年内利下げ期待を裏付ける内容ではあったものの、米国債利回りが上昇しており、ドル円も追随した。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、インフレが2%目標に戻るには1-2年はかかるとの見通しを示していた。また、根強い円安がドル円をサポートしている状況に変化はない。株式市場が堅調に推移し、リスク回避の雰囲気もない。ユーロドルは1.07ちょうど付近へと軟化。IMFは、EUの新たな財政ルールは高水準の債務と大幅な財政赤字を抱える国々が財政再建のために実質かつ政治的な努力をしなければ機能しないと指摘した。ポンドドルは1.26台へと再び下落。きょうは英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を公表していたが、予想通りに政策を据え置いた。ただ、9名の委員のうち、ディングラ委員とラムズデン副総裁の2名が利下げを主張していたほか、据え置きを支持した委員の間でも、ベイリー総裁を含む、一部の委員は据え置きがぎりぎりの決定だったことが示唆された。

(21日)
 東京市場では、ドル円が159円台をつけている。午前の取引で4月29日以来となる159円台乗せから159.13近辺まで上昇した。ただ、一段の上値追いには慎重姿勢がみられ、午後には158円台後半で売買が交錯した。160円の節目水準を視野に、市場には介入警戒感も広がっている。ユーロ円は170円台前半で底堅く推移。ユーロドルは1.0700レベルで下値を支えられると1.0720近辺まで下げ渋っている。ポンドドルは1.26台後半で落ち着いた値動き。ドル人民元は7.26台乗せとしっかりの動き。ただ、国有銀行がドル売りを続けており、当局の介入に対する思惑がみられていた。

 ロンドン市場は、ユーロやポンドが軟調。この日発表された6月の英欧PMI速報値が全般に弱含んでおり、両通貨の上値を抑えている。特にフランスの政治情勢の不透明感を受けて独仏ユーロ圏PMIが悪化した。きょうは欧州株が全般に下落、仏左派連合の支出計画を懸念して独仏10年債利回り格差も再び拡大している。ユーロドルは1.07台割れから1.06台後半へ、ユーロ円は170円台割れから一時169円台前半まで下落した。ポンドドルは1.26台後半から前半へと軟化、ポンド円は一時201円台割れに。英PMI速報値は非製造業の悪化を受けて総合PMIも予想以上に悪化している。昨日の英中銀金融政策発表を受けて市場での利下げ観測がやや前倒しされていることもポンドにとっての重石となっているようだ。ドル円は序盤に158円台後半に反落したが、足元では159円付近へと再び上昇。全般にドルが底堅い値動きになっている。

 NY市場は6月調査の米PMIが製造業、非製造業とも予想を上回ったことをきっかけにドル円は買いが加速し、一時159.60円付近まで上げ幅を伸ばした。指標発表直後はドル買いの反応だったが、次第に円安の動きがドル円を押し上げている。ユーロ円、ポンド円といったクロス円も上昇。 再び160円を試しそうな気配となったが、同時に財務省の介入警戒感も高まる。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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