FX/為替「ドル/円、157円台回復 欧米の金利上昇で円売り地合い」 外為どっとコム トゥデイ 2024年6月11日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年6月11日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(月)の為替相場
(1):仏大統領 下院議会を解散
(2):本邦GDP 上方修正
(3):NY連銀1年先インフレ期待は低下
(4):ECB総裁「適切な判断を下した」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上昇しても緩やかなものになりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
10日(月)の為替相場
期間:10日(月)午前7時00分~11日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):仏大統領 下院議会を解散
フランスのマクロン大統領は、9日に行われた欧州議会選挙で極右政党が大勝する見通しとなったことを受けて議会下院を解散し、今月末に選挙を行うと発表。マクロン大統領としては、国政選挙で勝利し、極右政党の影響力を抑えたい狙いと見られるが、地元メディアからは「危険な賭けだ」という指摘が出ている。フランスの政治情勢を巡る懸念からユーロは前週末の終値を下回る水準で取引が始まった。
(2):本邦GDP 上方修正
日本1-3月期国内総生産(GDP)・2次速報は前期比年率-1.8%と1次速報(-2.0%)から修正。民間設備投資の上振れが上方修正に寄与した。同時に発表された4月経常収支は2兆505億円の黒字(予想1兆7835億円の黒字)、同貿易収支は6615億円の赤字だった(予想3467億円の赤字)。
(3):NY連銀1年先インフレ期待は低下
NY連銀の5月調査で消費者の1年先インフレ期待は3.2%と前月(3.3%)から低下。3年先インフレ期待は2.8%で前月から変わらずだった。
(4):ECB総裁「適切な判断を下した」
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は、先週の利下げの決定について「われわれは適切な決定を下したが、それは金利が直線的な低下軌道にあることを意味するものではない」と指摘。「金利を再び据え置く期間があるかもしれない」と述べた。また「政策金利はあらかじめ決められた軌道にあるわけではない」との見解をあらためて示した。
10日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上昇しても緩やかなものになりそう
昨日のドル/円は1週間ぶりに157円台を回復した。前週末の米5月雇用統計でドルが買われた流れがこの日も継続。フランスの政治リスクを背景にユーロが下落したこともドルを押し上げ、一時157.19円前後まで上昇した。フランスではマクロン大統領が解散総選挙の実施を表明。欧州議会選で躍進した極右勢力が政権を取れば財政悪化は避けられないとの見方からフランス国債を中心に欧州債が下落(利回り上昇)した。これにつれて米長期金利も上昇しており、こうした地合いが続けば相対的に金利が低い日本円の売られやすい展開も継続しそうだ。ただ、市場は明日12日に発表される米5月消費者物価指数(CPI)と連邦公開市場委員会(FOMC)の金利見通しに強い関心を寄せている。このため、本日のドル/円は上昇するにしても、そのペースは緩やかなものになりそうだ。
注目の経済指標:英雇用統計
注目のイベント:米10年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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