ECB、次回は9月の可能性が高いもののスラムダンクではない=NY為替
ユーロドルは1.08ドル台後半での推移となっている。この日のECB理事会を受けて買いが強まり、一時1.09ドル台に上昇する場面が見られた。ECBはこの日の理事会で利下げを開始。中銀預金金利を従来の4.00%から3.75%に引き下げている。2022年7月のマイナス金利解除以降、約1年11カ月続いた利上げサイクルに一旦終止符を打った。
ただ、声明では「特定の金利の道筋をあらかじめ約束はしない」と述べたうえで、今年と来年のインフレ見通しを引き上げていた。ラガルド総裁も会見で、スピードとタイミングはデータ次第であることを強調。市場ではタカ派な利下げとの印象に結びついたようた。
市場では次の利下げのタイミングに様々な見方が出ているが、9月との見方が多い。少なくとも7月の連続利下げを予想する向きは少ない。今回のインフレ見通しの上方修正に先週の5月分のデータが明確に織り込まれており、9月にスタッフ見通しを再度上方修正する必要性が低くなったとの指摘も出ているほか、ラガルド総裁は中期的にインフレが2%に向かっているとの確信を強めたことを強調しており、特に2025年第4四半期のインフレ予測が相対的に安定していることを強調していた。
とはいえ、賃金上昇率は依然として高く、インフレも5月に上昇した点を考慮すれば、9月利下げは「スラムダンク(確実な成功や容易な達成)」ではないとも言及している。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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