イエレン長官、FRB独立性への脅威を警告 トランプ氏にけん制か
イエレン米財務長官は、米国の民主主義制度が脅かされれば、米国および世界の経済成長と金融安定を損なうと警鐘を鳴らした。3日にアリゾナ州セドナで行う講演原稿の抜粋を財務省が本日公表した。
イエレン長官はその中で、FRBの独立性と透明性が米経済の健全性にとって極めて重要だと強調。「FRB議長として、私はFRBの独立性と透明性を主張してきた。金融安定と経済成長にとって重要だと信じているからだ」と述べた。
トランプ前大統領が11月の選挙で返り咲きを果たした場合、FRBに利下げを迫るのではないかとの臆測が市場では浮上している。大統領がFRBにより直接的な影響を与えることができる案をトランプ陣営の関係者らが策定したとのニュースも流れていた。
イエレン長官はさらに、民主主義が脅かされている事例として、2021年1月のトランプ支持者らによる連邦議会襲撃事件についても言及。自身の発言は財務長官として異例であることを認めつつ、「強い経済を築き、維持するためには民主主義が不可欠だと信じている」と指摘。「民主主義を損なえば、持続可能で包括的な成長の礎を弱体化させる」と述べた。

執筆者 : MINKABU PRESS
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