英中銀、世界の不動産セクターのリスクが金融安定を脅かすと警告

　英中銀は本日、世界の不動産セクターのリスクが金融安定を脅かすと警告した。英中銀の金融行政委員会（ＦＰＣ）はきょう、商業用不動産価格がさらに下落し、金融機関が損失を被る可能性があると指摘。中国の不動産には依然として大きな下落リスクがあり、不動産開発業者への貸し手を通じて世界の金融市場に伝染リスクをもたらしていると論じている。
　
　特に懸念されるのは、商業用不動産債務が銀行セクターの外でどれだけ保有されているかだという。中銀はまた、プライベート・エクイティーのリスクにも焦点を当て、このセクターの複雑さと相互関連性が金融安定へのリスクの評価を難しくしていると指摘した。

　世界的なリスクは増加し続けており、依然として重大だと、ＦＰＣは議事要旨で説明。資産評価額が世界的に上昇を続けてきたが、広範な資産価格が急激に調整されるリスクが高まっているという。英中銀は銀行に対するカウンターシクリカル資本バッファーを２％に維持した。

　いまや金利上昇が問題になりつつあり、レバレッジドローンのデフォルト率が上昇していると指摘。プライベートエクイティーの一部スポンサー企業はリスクの明確化を遅らせる借り換え策に目を向けているとし、こうした取引は、将来に予想以上の信用損失が発生するリスクを高める可能性があると警鐘を鳴らした。