ドル円は151円台で上下動 次の材料探しも、上値追いの流れに落ち着く=NY為替概況
ドル円は151円台で上下動 次の材料探しも、上値追いの流れに落ち着く=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は151円台での上下動が続いた。先週の日銀決定会合やFOMCといった重要イベントを通過して、ドル円は次の手掛かり材料探しの雰囲気となっている。結局、両イベントを通過してドル円は上値追いの流れに落ち着いている。
ストラテジストからは、両中銀の会合後、ドル円の強気派とキャリー取引を求める勢力が再び戻っており、上値では財務省の介入警戒感はあるものの、キャリーコストの改善なしには、それも持続的なゲーム・チェンジャーになりそうにないとの指摘も出ている。
ハト派的な日銀のマイナス金利解除と、FRBのハト派バイアス維持の組み合わせは、ドル円の下落には不十分だったと指摘。ハト派なFRBのメッセージを検証するには、米経済指標が下向きに転じること、特に今後数カ月間のインフレ指標が低下することが必要だという。もし、それが達成されないままであれば、FRBのシナリオが再び疑問視され、利回り格差を通じてドル円をさらに押し上げ、155円への押し上げも想定されるとも指摘している。
ユーロドルは買い戻しが優勢となり、1.0840ドル付近まで戻した。本日の200日線が1.0840ドル付近に来ており、その水準に再び顔合わせしている。先週の重要イベントを通過して、ユーロドルは上値が重くなったが、1.08ドル台は維持されている。しかし、ECBの6月利下げが有力視される中で、FRBに比べて、もっとも早く利下げに着手するのではとの見方から、ユーロの上値は重そうだ。
ポンドドルも下げ渋っており、1.2640ドル近辺まで戻している。ただ、先週の英中銀金融政策委員会(MPC)や英消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、一気に情勢に変化が見られている。これまで8月利下げ開始がメインシナリオだったが、一気に5月の利下げ開始の可能性まで浮上しているようだ。6月までの利下げの確率を75%で見ている。
エコノミストからは、インフレは4月には2%を下回り、年末までにさらに大幅に低下するかもしれないとの声も出ている。その場合、英中銀は現在の予想よりも大幅な利下げに踏み切る可能性があるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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