ドル円は148円台に戻す ドル買い根強く下値サポート=NY為替序盤
きょうのドル円は東京時間に瞬間的に146円台に下落する場面が見られたものの、海外市場に入ると買い戻しも出て、148円台に戻している。きょうは日銀決定会合の結果が発表され、植田総裁の会見も行われた。それを受けて円相場は円高の動きが強まった。
総裁は会見で、賃金と物価の好循環が強まり「2%目標への確度は少しずつ高まっている」との認識を示した。この日発表の展望レポートでも、コアCPIの先行きについて「見通し期間終盤にかけて物価安定の目標に向けて徐々に高まっていく」とし、そのうえで、先行きの不確実性は高いが、こうした見通しが実現する確度は引き続き、少しずつ高まっている」との表現を追加した。これらが、日銀はマイナス金利解除に前向きと受け止められ、円高を誘発したようだ。
植田総裁は春闘に向けて労働組合側から昨年を上回る賃上げ要求方針が示され、大企業中心に賃上げに前向きな発言も見られると指摘。賃金から物価への波及が「少しずつ広まっている」としたうえで、春闘の動向を含め、「各社のデータ情報を丹念に分析し、賃金と物価の好循環が強まっていくか確認していきたい」と語った。目標実現が見通せる状況に至れば、マイナス金利を含めた大規模緩和策継続の是非を検討していくことになると説明している。
短期金融市場では4月までのマイナス金利解除の確率を50%程度まで上昇させ、6月までの解除をほぼ織り込む展開を見せている。前日までは7月までを完全に織り込む状態だった。
ただ、マイナス金利を解除したからといって、その後に日銀が0.25%、0.50%と積極的に誘導目標を引き上げて行くと見ている市場参加者は少なく、限界があると見られているようだ。一方、FRBの早期利下げ期待が後退する中で、ドル買い圧力はまだ根強く、ドル円は下値をサポートされている。150円を再び試に行くとの見方も少なくないようだ。
なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
23日(火)
145.00 (20.6億ドル)
150.00 (5.6億ドル)
USD/JPY 148.15
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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