ドル円は148円台を回復 米雇用指標が労働市場の底堅さ示し、利回り上昇=NY為替概況
ドル円は148円台を回復 米雇用指標が労働市場の底堅さ示し、利回り上昇=NY為替概況
きょうのドル円はNY時間に入って買いが強まり、148円台を回復した。この日発表の米新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、米労働市場の底堅さを示したことで、米国債利回りが上昇に転じ、ドル円も買いが強まった。ただ、ドル円はこのところの急ピッチな上昇で高値警戒感も出ており、上値での利益確定売りも活発に出始めているようだ。調整が出てもおかしくはないが、一方で戻りを試す気配もいまのところない。市場ではFRBの早期利下げ期待が後退している。前日の短期金融市場では3月までの利上げ開始の確率を50%近くまで低下させていた。本日は57%程度まで戻している。
FRBの利下げを巡る市場の楽観論は巻き戻される可能性が高く、それがドル高に拍車をかけ、ドル円は上昇が続くとの見方が出ている。日本のインフレがピークに達したことが確認されれば、円売り圧力も再び強まることも予想されるという。来週の日銀決定会合で政策が調整される可能性はないと思われるが、4月の利上げの可能性も、いまのところ疑問視しているという。ただ、年末にかけてドル売りを予想しており、年内のドル円については、なお135円台を予想しているとも述べた。
ユーロドルは上値の重い展開が続いた。ただ、本日の200日線が1.0845ドル付近に来ているが、その水準はいまのところ維持されている状況。一部からは、ユーロドルは1.08ドルまで下落する前に、当面はレンジで推移するとの見方が出ている。1.0850-1.0950ドルの狭いレンジで取引が予想されるという。ただ、第1四半期末までには1.08ドルまで下落するとも述べた。
本日はECB議事録が公表されていたが、金利上昇の効果の大部分はまだ実際に表れておらず、影響が最も表れるのは今年初めだと述べていた。
ポンドドルは1.26ドル台で上下動。NY時間に入ってドル買いが強まったことで1.26ドル台半ばに値を落としたものの、1.27ドル付近まで戻す展開。下げ一服の展開が続いているものの、本日1.2710ドル付近に来ている21日線には慎重な模様。
今週発表の英雇用統計や消費者物価指数(CPI)を受けて、英中銀の早期利下げ期待が後退しており、現在、短期金融市場では6月の利下げ開始を最有力視している。先週は5月利下げの期待を完全に織り込む動きも見られていたが、その期待は後退しているようだ。前日の英CPIにより、24年の英利下げ予想が0.20%ポイント引き下げられており、ポンドを下支えしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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