為替相場まとめ11月27日から12月1日の週
27日からの週は、ドル売りが優勢。11月相場の流れを受けてドル売りが先行して取引を開始した。米インフレ指標の低下傾向を受けて、市場には早期利下げ開始観測が広がった。そのなかで、タカ派で知られるウォラーFRB理事が、インフレの低下が進展しているとの認識を示したことが、一段のドル売り反応につながった。しかし、その後はドル売りは一服。週末、月末などでドルが買い戻されたことや、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁やウィリアムズNY連銀総裁がタカ派姿勢を示したことに反応した。今週末から米金融当局者が金融政策や経済見通しに関する発言を差し控える「ブラックアウト期間」に入ることから、当局者発言に敏感に反応する面もあったようだ。ドル円は149円台後半から146円台後半へと急ピッチに売られた反動もあって148円台に買い戻された。ドル円の値動きが大きかったことで、クロス円も売りに押された。ユーロ円は163円台から160円台まで軟化。ポンド円は188円台から186円台まで下押しされる場面があった。米雇用統計発表が来週末8日となることから、月替わりの週は材料難だった。発言に対する反応や、月末フロー主導の展開だった。
(27日)
東京市場は、中国発のリスク回避で円買い。ドル円は朝方に149.67近辺まで買われた後は一転して円買いに押された。中国工業利益が予想を大きく下回る弱さを見せ、中国シャドーバンキング大手中殖企業集団が投資家に対して約5.4兆円の資金不足を報告したとの報道が出たことなどでリスク回避ムードが広がった。149円台割れからストップロスを巻き込んで148.89近辺まで下落。149円台に戻したものの上値は重かった。ユーロ円も163.70近辺を高値に162.94近辺まで下落。ポンド円は188.53近辺から187.61近辺まで下落。日経平均はプラス圏スタートもマイナスに転じて、一時200円超安となった。ユーロドルは1.09台での推移で方向性に欠けた。
ロンドン市場は、調整を交えながらもドル安の流れを維持。ドル円は東京市場での中国発リスク回避相場を受けてロンドン朝方には148.78近辺まで安値を広げた。その後は米債利回りの下げ一服もあって149.30台まで反発。しかし、調整の域は出ず、再び149円付近へと軟化している。欧州株や米株先物がマイナス圏で上値重く推移、NY原油先物が週明けの77ドル付近からロンドン時間には74ドル付近まで下落するなど、リスク警戒的な状況が続いている。米10年債利回りは東京朝方に4.51%付近にいったん上昇も、その後は低下傾向。ロンドン序盤にやや下げ渋るも、再び4.46%付近に低下している。ユーロドルは1.09台前半から一時1.0959近辺まで高値を伸ばした。ポンドドルは1.26台乗せから1.2627近辺まで買われた。この時間帯はかなり神経質に売買が交錯している。ユーロ円は163円台前半、ポンド円は188円を挟んで上下動。ドル円の下げ圧力もあり、いずれも反発局面は長続きせず。
NY市場では、ドル売りが優勢。ドル円は149円台が重くなり、取引終盤には148.60付近まで下押しされた。FRBについての市場の見方に変化はなく、利上げサイクルはすでに終了、来年第2四半期以降の利下げを織り込んでいる。場合によっては3月の利下げ開始の可能性が23%程度で織り込まれている状況。ユーロドルは取引序盤に1.0920台まで下押しされた後は、反転上昇1.0960付近と東京高値に接近、下に往って来いとなった。本日はラガルドECB総裁の議会証言が行われていた。PEPPの再投資は少なくとも2024年まで継続することにコミットした。ただ、一部理事からは見直すべきとの主張もあり、見直し協議の可能性にも言及している。ポンドドルは上昇一服となり、1.26台前半での上下動に終始した。今週はポンド関連の重要な経済指標も少なくドルの値動きに左右されそうだ。
(28日)
東京市場では、円買いの動きがみられた。朝に日経が報じた日銀がマイナス金利解除に向けて地ならしとの観測記事が円買いを誘った。ドル円は前日の円買いの流れもあり、上値重く推移。148.50近辺を割り込むと、昼前には147.98近辺まで安値を広げた。日経平均も上値重く推移、リスク警戒の円買いも加わった。午後には少し買い戻しが入ったが、148円台前半までと戻りは限定的。日経平均も一時プラス転したが、伸びを欠いた。ユーロ円は163円手前から162.20付近まで下げ、その後は162円台前半の安値圏にとどまった。ユーロドルは1.09台半ばで狭いレンジ揉み合い。ポンドドルは1.26台前半で推移。ドル相場は小動きだった。
ロンドン市場は、東京市場での値動きを戻す動き。ドル円は東京市場で148.70レベルの前日終値水準から一時148円台割れまで下落。しかし、すぐに148円台に戻すとロンドン時間には米債利回り上昇とともに148.83近辺に高値を伸ばして下に往って来いに。東京早朝に「マイナス金利解除、日銀が地ならし ショック回避探る」との日経報道が円買いを誘ったが、ロンドン時間にかけては日銀の基調インフレ指標の上昇鈍化が円売りの反応につながった面も指摘される。ユーロドルは1.09台後半から前半で下に往って来い。ポンドドルも1.26台前半で同様の動き。いずれの主要通貨ペアも前日終値付近に戻す動きとなり、全般的に方向性は希薄。ナーゲル独連銀総裁は、利下げについての議論についても時期尚早としており、インフレ見通し次第では再利上げが必要との認識を示した。まだ、インフレ見通しには不透明感、不確実性が高いことを印象付けていた。サウジがOPECプラス参加国に減産を要請と報じられ、原油先物が上昇。カナダドルが買われている。カナダ円は109円台乗せ、ドルカナダは1.36台割れとなっている。
NY市場では、FOMC委員の発言でドルが売られた。複数のFOMC委員の発言が伝わり、インフレ(低下)の進展を強調した。ボウマンFRB理事は若干タカ派な雰囲気を見せていたもの、ウォラーFRB理事やグルーズビー・シカゴ連銀総裁は追加利上げに消極的な雰囲気を醸し出していた。市場が期待している利下げには言及していないが、アナリストからは「市場は来年の利下げに前向きと解釈している」と指摘も出ていた。ドル円は148円台を割り込むと、147円台前半まで下落した。ユーロドルは8月以来の1.10台を一時回復した。ただ、大台乗せでは売りが入り、1.09台後半に押し戻された。水準的には前日比プラス圏を維持した。ポンドドルも一時1.27台を回復する場面がみられた。9月初め以来の高値水準となった。ただ、ポンドはユーロに比べれば、今後上値は重くなるとの指摘も。先週の秋季予算案で発表された財政支援策とリスク選好の高まりにより、直近上昇していたポンドがさらに買われる可能性は低いという。
(29日)
東京市場では、ドル円が一段と下落。前日のNY市場でウォラーFRB理事にがインフレ進展に言及し、市場では早期利下げ観測が広がったことが背景。米10年債利回りが4.276%に一段と低下する動きとともに、ドル円は147円台割れから146.67近辺まで安値を広げた。午後には調整買いで147.30付近まで反発も、米債利回りの戻りが鈍いこともあって上値は抑えられた。ユーロ円はドル円の下落とともに161.55近辺まで下落したあとは、下げ一服。ユーロドルはドル安の流れのなかで、午前中に1.1017近辺に高値を更新。その後は1.10ちょうど付近で推移した。ロンドン時間に発表される独消費者物価速報(11月)待ちのムードも。
ロンドン市場では、ドルの買い戻しが優勢。ドル円は東京市場で146円台後半に下落したが、ロンドン時間に入ると買い戻され、東京午前の下落を解消して一段とドル高が進行、147.80付近まで戻した。今週は月曜日の149円台後半の高値から約3円幅の下落となり、スピード調整が入った格好。米10年債利回りが4.25%台から4.30%台を回復したこともドル円の反発を後押しした。ユーロドルは東京午前に1.1010台に上昇したが、ロンドン時間には1.0970前後まで反落。この後に発表される独消費者物価の伸び鈍化観測も重石に。ユーロ円はドル円の買い戻しとともに162円台を回復。NZドル/ドルは反落。東京午前のNZ中銀金融政策会合で政策金利は市場予想通り据え置きとなったが、声明などでのタカ派姿勢が目立ち0.6150台から0.62超えまで急上昇した。ロンドン時間にはドル全般の上昇にじりじりと下げ、会合後の上昇分を解消している。
NY市場では、再びドル円の上値が重くなった。前半はドル売りの一服でドル円は147円台後半まで買い戻されたが、後半には147円台前半へと下落した。ドル円は今週に入ってからの下落で、再び下値に意識が向かっており、オプション市場ではファンド勢がプット(売る権利)の買いを積極的に購入しているとの観測も流れている。市場は、前日のFRB理事の発言で来年の利下げ期待を一層強めており、短期金融市場では5月の利下げ開始を有力視し始めている。場合によっては3月との見方も高めている状況。ウォラーFRB理事は前日の講演で「現在の政策が景気を減速させ、インフレを2%に戻すのに十分な位置にあるとますます確信している」と述べていた。市場が期待している利下げには言及していないが、市場からは「市場は来年の利下げに前向きと解釈している」と指摘も出ていた。やや拡大解釈とも思われるが、ドルの下値警戒感を高めている市場を刺激したようだ。ユーロドルは1.09台後半でやや上値重く推移。下押しの動きまではみられず。11月のドイツ消費者物価指数速報値は、前月比マイナス0.7%、前年比2.3%と予想以上にインフレが低下した。食品、アルコール、タバコのインフレは上方サプライズとなる可能性を示唆していた。
(30日)
東京市場は小動き。ドル円は147円ちょうどを挟んで落ち着いた値動きだった。早朝に146.85近辺まで軟化も、その後は147円前後に戻して揉み合いに。日本時間今夜10時30分発表の10月の米PCEデフレータなどの発表を控え、様子見ムードが広がっている。ユーロ円はドル円と同様に朝方に161.14近辺まで下押しされたあと、午後には161円台前半で動意に欠ける展開となった。ユーロドルは序盤に1.0984近辺まで強含んだが、午後は前日終値付近に戻した。オアNZ中銀総裁が当面は利下げを行うつもりがないと発言したことなどから、NZドル/ドルは0.6182付近まで、豪ドル/ドルは0.6649近辺まで上昇。その後は伸び悩んでいる。
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。ユーロドルの下げが主導した。11月のフランス消費者物価指数が前年比3.4%と市場予想を大きく下回る低い伸びに留まった。昨日のドイツ消費者物価指数の弱さと合わせ、ユーロ圏のインフレ鈍化傾向が意識された。ECBの早期利下げ開始期待が強まり、ユーロ売りに。ユーロドルは1.0960前後のサポートを割り込むと、1.09台前半へと下落。さらに、ユーロ圏消費者物価指数も予想を下回る前年比2.4%と、インフレ目標2%を視野に入れたことで1.0910近辺に一段安となった。米10年債利回りの上昇もドル買いを誘った。ドル全般に上昇するなかで、ドル円は147円付近の揉み合いを上放れると、147.70台まで上値を伸ばした。ポンドドルは1.2700挟みから1.2630台へと下落した。ユーロ円は161.40付近から一時160.60付近まで下落も、その後161円台前半を回復と下に往って来い。ポンド円も同様の動き。
NY市場では、ドルの買い戻しが加速した。ドル円は148円台半ばまで戻す場面がみられた。月末に絡んだ買いが中心と思われるが、この日のデーリー・サンフランシスコ連銀総裁の発言が利下げ期待に否定的な見解を示したことから、ドル買い戻しを加速させるきっかけとなったようだ。総裁は「いまは利下げを全く考えていない」と述べていた。その後は147円台に再び戻すなど、神経質に売買が交錯した。市場の意識は下向きに変化しつつあり、戻り待ちの売りから上値は重い。市場は来年の利下げ期待を一層強めており、短期金融市場では来年3月の利下げ開始の見方まで高めている。明日のパウエルFRB議長のスピーチがブラックアウト期間入りを前に注目される。ユーロドルは1.08台まで下落。ドルの要因もさることながら、本日はユーロ圏消費者物価指数速報値が発表され、それもユーロドルを押し下げていた。ただ、CPIはほぼ全カテゴリーに渡って低下したが、前月比で見ると食品だけは上昇していた。それを受けて一部からは、インフレは冷え込んだものの粘着性は残り、ECBはスタンスを変えないと見る向きもいるようだ。ポンドドルも戻り売りが強まり、一時1.26ちょうど付近まで下落。ポンドドルはこのところ上昇が続き、過熱感も高まっていたことから、きょうの下げはちょうど良い冷や水となったようだ。きょうはグリーン英中銀委員、前日はベイリー英中銀総裁の発言が伝わっていたが、両者とも市場の利下げ期待には否定的な見解を示していた。
(1日)
東京市場は、ドル売りが先行。米債利回り動向をにらんで、神経質に上下動している。午前はドル売りが先行。米10年債利回りが4.30%台へと低下すると、ドル円は148.20付近から147.60付近まで下落した。しかし、午後にかけては米債利回りが4.33%台へと上昇、ドル円は148.25近辺にわずかに高値を更新した。下に往って来いとなっている。ユーロ円は午前に161円台割れも、午後には161.60付近へと高値を伸ばした。ユーロドルはドル売り局面で1.0880台から1.0910台へと上昇。ドル買い局面の動きは1.09台割れまでと限定的。その後は1.09台前半で底堅く推移している。NYタイムの米ISM製造業景気指数やパウエルFRB議長の発言待ちに。
ロンドン市場はドル売りが先行。米10年債利回りが4.34%付近から4.30%台へと低下したことに反応。しかし、足元では4.33%付近まで戻しており、ドル買戻しも交錯している。ドル円は米債利回り動向に素直に反応し、148.31近辺まで買われたあと、147.70付近まで下落。その後は148円付近まで戻している。ユーロとポンドは独自の動きがみられた。ユーロドルは米債利回りが低下する局面でも売りが先行、1.09台割れとなった。その後の戻りも鈍く、再び1.8380台に安値を広げている。一連の欧州製造業PMIが50割れ水準に低迷しており、ユーロの上値を抑えた。また、米大手金融機関のゴールドマン・サックスがECBの利下げ開始時期観測を前倒ししたこともユーロ売り材料となっていた。一方で、ポンドは堅調。ポンドドルは1.2630付近から米債利回り低下とともに1.2675近辺に高値を更新。その後は1.2650付近に売り戻しが入っている。ただ、ユーロ売り・ポンド買いのフローが持ち込まれており、ポンド自体は底堅く推移している。ハスケル英中銀委員は、英国の失業率は低く、金利は高止まりする可能性ある、とタイムズ紙で述べていた。ユーロ円は161円台後半から一時161円台割れまで下落。一方、ポンド円は187.50台に高値を伸ばしたあとの反落でも187円台を維持している。
NY市場でドル円は146円台に下落した。本日の100日線が147.15円付近に来ており、再びその水準を下回る展開。この日はパウエルFRB議長の講演が行われ、それを受けて米国債利回りが低下し、ドル円も戻り売りが強まった。議長は「金融緩和の時期を推測するのは時期尚早。適切であれば追加引き締めの用意」とこれまでのタカ派的な発言を繰り返した。ただ、「政策金利は抑制的な領域に深く入った」とも述べている。以前はこの点を「いまは抑制的過ぎる証拠はない」と述べていた。
執筆者 : MINKABU PRESS
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