リスク回避の動きに押される、米債利回り低下 ドル円１４８円台後半＝ロンドン為替概況

リスク回避の動きに押される、米債利回り低下　ドル円１４８円台後半＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、中東地政学リスクをにらんだ動き。レバノンからイスラエルに向けてミサイル発射との一報に米債利回りや欧州債利回りなどが低下。ドル売りや欧州通貨売りが交錯した。ドル円やクロス円は欧州株安とともに円高圧力を受けている。ドル円は149円手前まで買われていたが、米１０年債利回りが４．６５％付近から４．５４％付近に急低下すると148.60近辺まで下落した。ユーロ円は158円台乗せ水準から157.50台へ、ポンド円は183円台乗せ水準から182.50付近まで下落した。欧州株は売りが先行、リスク回避の動きが広がった。ただ、次第に株式は下げ渋り、為替市場の円高の動きも落ち着いた。ユーロドルは米債利回り低下で1.0628近辺まで買われたあと、欧州債利回り低下で1.0593近辺まで反落。その後はレンジ内での揉み合いに。ポンドドルも1.2270から1.2304までのレンジで振幅している。

　ドル円は148円台後半での取引。東京市場ではアジア株高などを受けて買われ、148.43近辺を安値に148.97近辺までのレンジを形成した。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回り低下とともに反落。148.60割れまで売られている。レバノンからイスラエルに向けてミサイル発射との一報に反応しており、中東地政学リスク関連の報道に敏感な動きをみせた。

　ユーロドルは1.06付近での取引。東京市場では1.06付近での膠着相場だったが、ロンドン朝方に米債利回りが低下すると1.0628近辺に高値を伸ばした。その後は、欧州債利回り低下で1.0593近辺に安値を更新、レンジを形成した。ユーロ円はドル円に沿った値動きで、158.05近辺まで買われたあとは157.50台まで反落。その後は157円台後半での弱保ち合いに。対ポンドではユーロ買い先行も、押し戻されており、方向性に欠けた。ＥＣＢインフレ期待は前回から若干上昇したが、反応薄だった。
　
　ポンドドルは1.22台後半での取引。1.2304近辺を高値に、1.2270近辺を安値に神経質な上下動となっている。ポンド円は183.12近辺まで買われたあと、182.49近辺に安値を広げた。その後は182円台後半で下げ渋っている。ユーロポンドは0.8620台から0.8640付近で上に往って来い。方向性に欠けた。　

minkabu PRESS編集部 松木秀明