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為替相場まとめ7月24日から7月28日の週

為替 

 24日からの週は、円買いが強まるとともにドル相場も堅調だった。この週は米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合を主要中銀の金融政策発表が相次いだ。米FOMCとECB理事会はいずれも予想通り25bpの利上げを実施した。ただ、9月利上げについての明言はみられず利上げ継続姿勢はトーンダウンした印象。パウエル議長、ラガルド総裁はともに今後についてはデータ依存とした。ラガルド総裁からは、需要の弱さを指摘する声も上がり、利上げ継続の矛先が鈍った。ドル、ユーロともに売りの反応も、ドルに関してはその後発表された米GDP速報値などの強い結果で持ち直している。来週に英MPCを控えるポンドも、大幅利上げ観測が後退しており、上値を抑えられた。ドル相場はFOMC後に売られた以外はドル高の流れを維持している。ドル指数は7月10日以来の高水準を回復した。その中で、ドル円相場は例外。円買いが強まり水準を下げている。金曜日の決定会合を控えて市場には日銀がYCC修正に動くとの思惑が広がり、ドル円の値動きがボラタイルになった。木曜日NY時間に日経が日銀がYCC修正を議論と報じらことで、円買いが強まった。金曜日の決定会合では長期金利の0.5%をめどとして柔軟に対応する1%で指値オペを実施すると発表。ドル円は141円付近から138円付近で乱高下する場面があった。クロス円では円高の動きがより鮮明で、日銀がYCC修正に動いた影響が強く示された。ユーロ円は156円台から一時151円台へ、ポンド円は181円台から一時176円台へ下押しされた。また、来週に豪中銀理事会を控えて、豪ドルが軟調。対円は95円台から一時91円台まで下落。小売指標などの弱い結果を受けて、利上げと据え置きの見通しが拮抗している。


(24日)
 東京市場は、落ち着いた動き。ドル円は141円台後半でスタート。週末には読売新聞が日銀会合で長期金利の上限について議論などと報じたが、朝は141円台後半でのしっかりした動きが続いた。磯崎官房副長官が日銀は共同声明に沿って必要な措置を適切に講じることを期待などと発言したことがやや円買いにつながり、昼前に141.35レベルまでドル安・円高となったが、動きはそこまで。午後は141円台半ばを挟んで様子見ムードが広がる展開。目立った動意が見られず揉み合いとなっている。ユーロ円は157円台後半から前半に下げたあとは157円台半ばに落ち着いた。ユーロドルは1.11台前半で膠着。今週は米FOMC、ECB理事会、日銀会合などが予定されており、週初から積極的な動きが出にくい地合い。

 ロンドン市場では、ユーロとポンドが売られている。独仏ユーロ圏、英国などの7月PMI速報値が製造業、非製造業ともに予想以上の悪化となったことが背景。景気見通しの悪化とともに、市場での英中銀やECBのターミナルレート観測が引き下げられている。ユーロドルはロンドン朝方にはポジション調整的な買いで1.1147近辺に高値を伸ばした。その後は一連のPMIの悪化を受けて急落、一時1.1066近辺に安値を広げた。ユーロ円も157円台後半から156.30台まで下押しされた。ポンドドルは1.2884近辺に高値を伸ばしたあと、ユーロドルとともに下落。さらに英PMIの結果を受けて1.2808近辺まで安値を広げた。ポンド円は182円台割れから181.02近辺まで下落。ドル円はクロス円の下落や、欧州債利回り低下に連れた米債利回りの低下を受けて軟調に推移。141.60付近で上値を抑えられると、一時141.05近辺まで下落した。関係者の発言として、「日銀が23年度物価見通しを2.5%程度に大幅上方修正の公算大」と報じられたことに円買い反応がみられる場面もあった。ドル指数は欧州通貨安を背景に続伸している。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は140円台に下落する場面があったが、全体的にはドル買いが続いており、NY時間に入ると141円台半ばに戻している。先週末は日銀の報道に円安が進み、ドル円は141円台後半まで買い戻されたが、今週の重要イベントを前に上げが一服している。今週は26日にFOMCの結果が公表される。0.25%ポイントの利上げが確実視されており、市場の注目は次回9月以降に集まっている。ユーロドルは売りが続き、1.10台半ばまで下落。きょうは7月のユーロ圏PMIが弱い数字だったことがユーロ売りを加速させていた。新規受注や生産見通しは今後数カ月間のさらなる落ち込みを示唆しており、景気の先行き警戒感を強める内容となった。ポンドドルは今日も下落が続き、一時1.27台まで下落。この日の7月調査の英PMI速報値が予想を下回ったことでポンドは下げを加速させ、ポンドドルは2週間ぶりの安値となった。製造業は引き続き弱い動きを見せているほか、サービス業も予想を下回った。これにより総合指数は判断基準の50はかろうじて上回ってはいたものの、1月以来の水準に低下している。

(25日)
 東京市場は、若干の調整も総じて落ち着いた動き。ドル円は141円台での推移。朝方に141.62近辺まで買われたが、米FOMCを控えて上値トライも慎重、昼前から調整が入った。141.21近辺まで下げたあとは141円台半ばへ。ユーロ円は156円台での推移。前日海外市場では156.20台まで下落したが、少し戻しての揉み合いとなっている。ユーロドルは1.10台後半での小動き。前日の下落を受けて上値は重いものの値動きは限定的にとどまっている。
 
 ロンドン市場では、ユーロが軟調。7月ドイツIfo景況感指数が87.3と市場予想88.0や前回値88.6を下回ったことに反応。東京市場では総じてドル高に対する調整の動きが優勢だったが、ユーロドルは1.1087近辺を高値に指標発表後には1.1040近辺へと安値を伸ばしている。この動きとともに次第にドル高の動きが再燃。ドル円は141.20-60レベルでの振幅となっているが、足元では141.50台へと底堅い動き。ポンドドルはロンドン序盤につけた1.2865近辺の高値から1.2820台へと反落している。中国の不動産規制緩和の報道が好感された買われた豪ドル/ドルも0.6779近辺で頭打ちとなり0.6760付近に落ち着いている。欧州株や米株先物・時間外取引はやや買いが優勢。ただ、クロス円はユーロ円の下げの影響を受けて上昇一服。ユーロ円は156.90付近を高値に一時156.10付近まで下落。ポンド円は182円をつけたあとは181.50割れへと反落。豪ドル円は95円台後半で上昇一服し、高止まり状態となっている。

 NY市場で、ドル円は140円台に下落。一時140.80近辺まで下押しされた。全体的には明日のFOMCの結果待ちといった雰囲気だが、その中でここ数日のドル買い戻しの調整が出ているものと思われる。明日のFOMCは25bpの利上げが確実視されているものの、市場はそれを完全に織り込んでおり、次回9月FOMCのヒントが何か出るか注目している。パウエル議長はあと2回の利上げの可能性を強調しており、その姿勢に変化はないとの見方も出ている。ただし、9月については、あと2カ月分のデータを確認できることもあり、今回はオープンにして置くものとも見られている。ユーロドルはやや上値が重いが1.10台は維持している。ポンドドルはNY時間に入ると買いが優勢となり、1.2865近辺まで反発した。21日線が1.28ドル台半ばに来ているが、その水準を回復しており、1.28ドルで一旦下げ止まっているようだ。

(26日)
 東京市場では、ドル買い先行も午後には様子見となった。ドル円は140円台後半で揉み合ったあと、ドル買いが入ると141.19近辺まで上昇。その後は141円ちょうど付近での揉み合い。午後はほとんど同意をみせず、FOMC待ちとなっている。ユーロドルはドル買い局面で昼前に1.1038近辺まで軟化も、その後は1.1060付近まで反発。朝方のレンジは22ポイントと動意薄だった。ユーロ円はユーロドルの買い戻しもあって底堅く推移も156円は付けきれず、155円台後半での取引に終始した。豪ドルは豪インフレの伸びが鈍化したことで売られた。対ドルは0.68手前から0.6730付近まで一時下落。対円は95円台後半から一時95円台割れに。

 ロンドン市場では、ドル売りが優勢。米FOMCの結果発表やパウエルFRB議長会見をNY市場後半に控えて、ロンドン時間は調整の動きが広がっている。ドル円の下げが主導しており141円付近から140.20台へと軟化している。クロス円も下げており、円高の面も。ユーロ円は156円手前で上値を抑えられると一時155.20台まで下落、ポンド円は182円ちょうど付近を高値に180.90付近まで下押しされた。ただ、ドルが全般に売られるなかでユーロドルは1.10台半ばから1.1080台へ、ポンドドルは1.28台後半から1.2920台へと上昇。クロス円は序盤の下げをやや戻している。東京市場で豪インフレの伸びが予想以上に鈍化したことで豪ドルが売られたが、ロンドン市場でも一段安。豪ドル円は95円台割れから94.75近辺に安値を広げている。対ドルでも上値を抑えられ、0.67台後半から半ばへと小安く推移。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。原油先物も売られるなど、リスク警戒感も広がっている。
 
 NY市場では、ドル売りの反応が強まった。午後にFOMCの結果が発表され、予想通りに25bpの利上げを実施した。ただ、次回9月に関しては選択肢をオープンにしている。その後のパウエル議長の会見では今後の利上げはデータに依存するアプローチをとる意向を強調。次回の9月の利上げの可能性を残してはいるものの、市場は利上げを見送るとの見方を強めているようだ。短期金融市場では9月利上げの確率を20%程度で見ている。議長の会見を受けてドル円は一時140円を割り込む場面が見られた。ただ、議長は改めて年内の利下げの可能性には否定的な見解を示したほか、2025年まで2%目標は達成できない可能性にも言及しており、ドル円も140円台前半に戻した。ユーロドルは買われ、1.1050台から一時1.11台乗せとなった。その後は1.10台後半で推移している。ポンドドルも1.29割れ水準から1.2960付近まで一時上昇した。ポンドは対ユーロでも堅調に推移した。

(27日)
 東京市場は、ドル相場が振幅。前日米FOMC後のドル売りを引き継いでドル売りが先行。ドル円は1週間ぶりの安値となる139.38近辺まで一段と下落した。その後は反発、午後には140.20台と午前の下げを帳消しにした。日経平均が上昇に転じたことや、アジア株の堅調な推移からリスク選好の円売りが優勢となったことが下値を支えた。日銀金融政策決定会合の結果発表を明日に控え、神経質な動きが続いている。ユーロ円は155円台割れから午後には155円台後半まで買い戻された。ユーロドルはドル安調整で1.11台割れへと反落。ロンドン時間のECB理事会待ちに。午後の円売り傾向を背景に、リスク選好に敏感なオセアニア通貨は堅調に推移した。豪ドル円は95.42付近まで、NZドル円は87.62付近まで一時上昇した。

 ロンドン市場では、ユーロが堅調に推移。ユーロドルはロンドン市場で1.11台乗せから1.1150付近まで上昇している。このあとのECB理事会については今回は25bp利上げ観測と米国と同様だが、利上げ開始が遅かったこともあり、今後の追加利上げ継続の見方が有力となっている。この点についてはラガルドECB総裁会見がカギとなる。欧州株や米株先物が買われるなどリスク選好の動きがみられるなかで、ユーロ円は155円台前半から156.20付近へと上伸。ユーロは対ポンドでも買われている。ドル安や円安とともにユーロ高の面も垣間見られている。ポンドドルはユーロドルにつれ高となり一時1.2996近辺まで買われたあとは、1.2950台へと反落。ポンド円も181.90台まで買われた後は181.50割れへと一時反落。上値追いは限定的。ドル円は東京市場で下に往って来いとなったあと、140円挟みでの揉み合いからやや買われている。

 NY市場では、円相場が激しく上下動。ドル買いが先行。米GDP速報値、新規失業保険申請件数、耐久財受注など一連の米経済指標が予想を上回ったことに反応した。ECB理事会とラガルド総裁の会見を受けてユーロ売りが強まり、それがドル買いを加速させた面も。ユーロドルは1.11台割れからさらに1.10台を割り込んだ。ロンドン市場午前の上昇を解消するとともに、下値を広げている。ポンドドルも1.29台割れから1.28台割れまで下落。NY午後には 日銀は28日に開く金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)の修正案を議論すると報じられた。長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上しているという。円買いが急速に強まり、序盤に141円台に乗せたドル円は一気に139円台に突入、一時138円台に下落する場面もあった。クロス円も全般的に下落。ユーロ円は155円付近から152円台へ、ポンド円は181円付近から177円台まで急落している。ポンドにとっては来週の英MPCが注目されているが、市場では50bpの大幅利上げ観測が30%程度まで低下している。
 
(28日)
 東京市場は、ドル円が乱高下した。前日NY市場で日経が日銀がYCC修正を議論と報じたことで、ドル円は141円台から138円台後半まで急落した。この流れを受けてきょうは日銀金融の結果が発表された。日銀は長期金利の0.5%をめどとして柔軟に対応すると発表。1%で指値オペを実施するとした。YCC柔軟化(修正)が発表されている。発表とともにドル円は139円台から一気に141.07近辺まで急伸、その後138.07近辺まで急落を激しく振幅。植田日銀総裁会見とともに139円台に戻す動きとなっている。ユーロ円は155円手前まで急伸したあと151.40付近まで下押し、その後153円を挟む水準に落ち着いた。相当に荒っぽい動きとなった背景には、日銀の発表がやや分かりにくく、海外勢が反応に惑った部分がありそう。ユーロドルは1.09台での推移。ユーロ円が安値を付ける際にいったん下げ、少し戻したところで、ドイツ・ノルトライン-ヴェストファーレン州のCPIが弱く出たことで1.0950割れまで下落。その後1.0985前後へ戻している。

 ロンドン市場では、ドル買いが一服している。ドル買いが先行したが、次第にポジション調整的なドル売りが優勢になっている。ユーロドルは一時1.0944近辺に安値を広げた後は下げ一服から反発の流れとなり高値を1.10台乗せへと伸ばしている。ポンドドルも東京午後につけた1.2763近辺を安値に、1.27台後半での揉み合いを経て、ロンドン市場では1.28台乗せから1.2870台へと高値を伸ばしている。対ユーロでもポンドは堅調な動き。来週の英金融政策委員会(MPC)での追加利上げが意識されているもよう。ドル円は今日の主役だった。東京昼過ぎの日銀決定会合ではYCCの柔軟化が打ち出された。東京市場での激しい振幅は次第に落ち着き、ロンドン序盤には140円台を回復する場面があった。その後はドル売り圧力とともに139円付近へと軟化している。植田日銀総裁会見では、緩和継続の基本姿勢を示しつつも、物価上振れ顕在化してからの対応は後手に回り混乱する、と今回の措置導入を説明した。YCCによる長期債上限は事実上0.5%から1.0%に拡大されている。

 NY市場でドル円は買い戻しが活発化し、141円台に戻した。本日の日銀決定会合による下げを完全に解消。本日は一時138円台前半まで急落していた。ユーロドルはNY時間にかけて買い戻しが優勢となり、1.10台を回復。きょうはドル高が一服し、ユーロドルも買い戻しが膨らんだ。ただ、1.1050付近に21日線が来ており、いまのところは上値を抑えられている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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