ドル円は高値更新後に反落、144円台は維持 介入警戒見え隠れ=ロンドン為替概況
ドル円は高値更新後に反落、144円台は維持 介入警戒見え隠れ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。東京市場で進んだドル高の流れを帳消しにしている。ドル円は東京朝方に144.14近辺まで下押しされたあとは買いの流れが続いた。ロンドン朝方には144.70レベルと年初来高値を再び更新した。しかし、一気に144.20付近へと急反落した。市場は昨年の円買い介入時に意識された145円に接近したことでかなり神経質な動きをみせている。急反落した後のタイミングで、鈴木財務相から定番の円安けん制発言が報じられている。ユーロドルも下げを消す動き。1.0922近辺に安値を広げたあとは買戻しが強まっている。足元では1.0930付近へと高値を伸ばしている。ポンドドルも1.2615近辺に安値から反発して高値を1.2660台へと伸ばす動き。パウエルFRB議長はスペイン中銀のイベントで、昨日に続いてタカ派姿勢を示したが、ドル買い反応は限定的だった。欧州株は英株が軟調、独仏株が堅調とまちまち。米債利回りは東京市場から引き続き上昇傾向。原油先物は堅調な動き。リスク動向は比較的安定している。ユーロ円は一時158円に接近したが、ドル円の反落とともに157円台半ばへと戻している。ポンド円も182円台での上下動と方向性に欠ける動き。
ドル円は144円台前半での取引。米債利回りの上昇とともに、ロンドン序盤にかけて144.70近辺まで高値を伸ばした。年初来高値を再び更新、昨年11月以来の高値水準となった。しかし、その後は144.20付近まで急落。特段の報道はなかったが、昨年の円買い介入ポイント145円に接近したことで、市場に介入警戒感が広がる面が指摘されている。
ユーロドルは1.09台前半での取引。東京市場では米債利回り上昇とともに軟調な動きが続いた。ロンドン朝方にかけて1.0881近辺まで安値を広げた。その後はロンドン勢に参加とともに買いに転じている。ドイツ各州のインフレ指標が上昇、スペインのインフレ指標が予想を上回ったことなどがユーロ買い反応につながっていた。足元では1.0930付近に高値を伸ばしている。ユーロ円は上に往って来い。157.92近辺まで買われたあとは、ドル円の急反落とともに157円台前半へと反落。その後は157円台半ば付近で推移している。対ポンドで方向性に欠ける揉み合いとなっている。
ポンドドルは1.26台半ばでの取引。東京午後につけた1.2615近辺を安値にロンドン時間に入ると1.2664近辺まで高値を伸ばしている。ポンド円は一時182.87近辺まで買われたあとは182.20台まで反落。182円台半ばに落ち着いた。ユーロポンドは0.8625近辺から0.8640近辺での揉み合いに終始しており、方向性に欠けている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。