ユーロ圏のインフレ鈍化をトレンドと呼ぶには早過ぎる=NY為替
きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが優勢となる中、ユーロドルは戻り売りに押され、1.06ドル台に再び値を落としている。1.06ドル台半ばから下に強いサポートが観測されているようだが、再びその水準を試しそうな気配は出ている。
先日発表の5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は予想を下回ったが、それを受けて一部からはECBの利上げへの期待値を見直す動きも出ている。しかし、今回のインフレ鈍化をトレンドと呼ぶには時期尚早で、ラガルドECB総裁もインフレがピークに達した証拠はないと述べている。ユーロ圏の経済減速を示す証拠は増えつつあるものの、ECBが賃金主導のインフレが新たに発生するリスクについて気を緩めるには、労働市場はまだ逼迫し過ぎている。
しかし、ECBの政策金利のピークが9月ではなく7月前倒しになると考える理由は僅かながら増えつつある中、マーケット・ウォッチャーはこの夏も警戒を怠らないはずだという。
EUR/USD 1.0693 EUR/JPY 149.34 EUR/GBP 0.8613
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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