【これからの見通し】6月は据え置きか利上げか、今日の米雇用統計が試金石に
【これからの見通し】6月は据え置きか利上げか、今日の米雇用統計が試金石に
きょうは米雇用統計が話題の中心となる。6月米FOMCでの政策金利据え置きか利上げかを判断する重要な試金石となる材料だ。市場予想は非農業部門雇用者数が20万人程度の増加と、前回の25.3万人増からややペースダウンする見込み。失業率は3.5%と前回の3.4%からは若干の増加見通し。消費やインフレ動向に影響を与える賃金については、平均時給・前年比が+0.3%と前回の+0.5%から伸びが鈍化する予想も、前年比に関しては+4.4%と前回並み水準が維持される見込み。
足元のマーケットでは6月米FOMCについて約8割が金利据え置き、2割程度が25bp利上げと織り込んでいる。かなり据え置き予想が増えている。先日は2名のFRB高官が利上げ一時停止を示唆したほか、昨日のISM製造業景況指数が新規受注の落ち込みで予想を下回ったことや、単位労働費用・確報値が大幅に下方改定されたことなどが影響を与えていた。
先週までは市場での利上げ観測が優勢だったことを鑑みると、きょうの米雇用統計で再び市場センチメントが変化する可能性は大きい。強い結果で利上げ観測が上昇、弱い結果で据え置き観測がより確実となることとなろう。
この他の経済指標発表予定は、ロンドン朝方にフランス鉱工業生産(4月)、NY朝方にブラジル鉱工業生産(4月)がある程度。発言関連では、ロンドン序盤にバスレ・スロベニア中銀総裁の講演が予定されるくらいだ。米金融当局者はブラックアウト期間に入ることから、経済見通しや金融政策に関する発言は手控えられる。ほぼ米雇用統計一択の注目イベントとなりそうだ。米雇用統計発表は日本時間午後9時30分の予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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