ドル高は一服、米債利回り低下で ドル円140円台前半=ロンドン為替概況
ドル高は一服、米債利回り低下で ドル円140円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル高が一服している。東京市場からのドル買いの流れが一巡したあとは、米債利回りの低下とともにドル売りが優勢となっている。ドル円はロンドン早朝に140.93近辺と前日高値をわずかに更新した。しかし、財務省・金融庁・日銀の情報交換会合が開催されるとの報道に140円台前半に急落。会合後の会見で神田財務官は、為替動向を注視し必要あれば適切に対応すると表明した。ただ、具体的な水準に言及せず、変動幅が重要との認識を示したことで、市場は市場介入への切迫したムードは感じ取らなかったようだ。一時140円台後半へと買い戻された。しかし、米債利回り低下とともに全般的にドル売りが優勢となるなかで140円手前まで軟化している。ユーロドルは下に往って来い。序盤に1.0673近辺まで下押しされたあとは上昇に転じると高値を1.0736近辺に更新。ポンドドルも1.2327近辺まで下げたあとは上昇に転じて高値を1.2430付近に伸ばしてきている。ユーロ売り・ポンド買いのフローが入っている。この日発表された5月スペイン消費者物価指数の伸びが予想以上に鈍化したことがユーロ売り圧力となった面が指摘される。ポンド円が173円付近を安値に174円台乗せへと高値を更新する一方で、ユーロ円は149.75近辺から150.60付近で下に往って来いの動きにとどまっている。
ドル円は140円台前半での取引。東京午後に買いが強まった流れを受けてロンドン早朝には前日高値を上回る140.93近辺まで買われた。しかし、午後5時半から財務省、金融庁、日銀が情報交換会合を開催と報じられると、一気に円買いが強まった。円安けん制などが警戒されたもよう。140.10台まで反落。米債利回りの低下も上値を抑えるなかで、神田財務官の会見待ちとなった。財務官からは強い円安けん制や、すぐにでも介入を実施するようなシグナルは発せられず。ドル円は140円台半ばへと反発した。ただ、このタイミングでの情報交換会合ということもあって、上値追いの動きは封印されている。足元では米債利回りが再び低下しており140円手前へと下押しされている。
ユーロドルは1.07台前半での取引。東京市場からの軟調な流れを受けてロンドン序盤には1.0673近辺まで下押しされた。この日発表された5月スペイン消費者物価指数の伸びが予想以上に鈍化したことが一段の売りを誘っていた。しかし、米債利回りが低下したことで1.07台を回復している。ユーロ円はドル円とともに激しく振幅。ロンドン朝方に150.63近辺の高値をつけたあとは、149.75近辺まで急反落。その後はドル円の買い戻しとともに150.50付近まで買い戻されている。対ポンドではユーロ売りが優勢。
ポンドドルは1.24付近での取引。東京市場で1.23台後半で上値が抑えられると、ロンドン朝方には1.2327近辺まで安値を広げた。しかし、その後は買戻しが優勢となっており、再び1.23台後半に戻すと1.24台乗せまで高値を伸ばしている。ポンド円も振幅。173円台後半から173円台割れ水準まで下落したあと、再び買われている。173.50付近を上回ると一気に買いが広がって174円台乗せへと上伸している。ユーロポンドが軟調。0.8670付近から0.8640付近へと下落している。ポンド自体の材料には乏しいものの、対ユーロでのポンド買い圧力が下支えとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。