リスク回避の動き一服、米消費者物価指数の発表を控えて=ロンドン為替概況
リスク回避の動き一服、米消費者物価指数の発表を控えて=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク回避の動きが一服している。米シリコンバレー銀行破綻を受けたリスク回避の動きは前日NY市場ではやや落ち着きを取り戻しつつあった。しかし、きょうの東京・アジア市場ではまだ不安定な面もみられた。東京午後にクレディスイスが財務諸表の報告手続きに関して「重大な弱点」があったと報じられると米債利回り低下とともにドル円やクロス円が下落する場面があった。しかし、ロンドン時間に入ると米債やドイツ債などが買われ、株式市場も下げ渋りの動きをみせている。前日に大幅安となった米ファースト・リパブリック銀行株が時間外取引でようやく下げ止まったことが好感された面があったようだ。また、注目イベントである米消費者物価指数の発表を控えて、短期筋から調整が入った面も指摘される。ドル円は一時133.20付近まで下落も、その後は買いが優勢となり高値を134.33近辺に更新。ユーロ円も142.50付近までの下落後は143.83近辺まで買われた。ユーロドルは独債利回りの上昇もあって1.06台後半から1.07台乗せへと上昇。ポンドドルは1.2188近辺まで買われたあとは1.2150付近での揉み合いとなっている。ポンド円は162円台前半から163.25近辺まで一時上昇。11-1月の英ILO雇用統計で、失業率は3.7%と前回からの低水準を維持し、週平均賃金は前年比+5.7%と前回の+6.0%から伸びが鈍化した。
ドル円は134円付近での取引。東京午後に134円付近から133.20付近まで急落する場面があった。クレディスイスが財務諸表の報告手続きに関して「重大な弱点」があったと報じられたことに敏感に反応。しかし、すぐに買い戻されている。米債利回りの上下動に振り回されていた。ロンドン勢の本格参加してからは株式市場が反発、米独債利回りが上昇と、前日までのリスク回避の動きに調整が入った。ドル円は一時134.33近辺まで高値を伸ばした。
ユーロドルは1.07台前半での取引。前日NY後半から東京午後にかけてはじり安の動きが続いた。ロンドン勢の本格参加後は1.0670台から1.0735近辺へと上昇している。ユーロ円はドル円とともに振幅。143円台割れから一時142.50付近まで下落したあとは143円台を回復して高値を143.83近辺まで伸ばした。米ファースト・リパブリック銀行株が時間外取引で反発したことが好感されたほか、米消費者物価指数の発表を控えて調整が入る面があった。対ポンドではユーロ売りが先行したが、切り返して買われている。
ポンドドルは1.21台半ばでの取引。前日NY市場で1.22付近からの売り戻しで上値重く推移したあとは、1.2150付近での揉み合いが続いている。米消費者物価指数の発表を控えて動意薄。ポンド円はドル円の振幅とともに162円手前まで下落したあとは163.25近辺まで買われた。ただ、163円台は維持できず上昇は一服。ユーロポンドは0.88台割れから0.8770台に下落したあとは、切り返して0.8823近辺に高値を伸ばしている。英雇用統計で失業率が低水準を維持、賃金上昇の伸びがやや鈍化したが、指標結果を受けたポンド買いの反応は限定的だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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