シリコンバレー銀行破綻を受けたリスク回避の動き再燃 ドル円一時133円台割れ=ロンドン為替概況
シリコンバレー銀行破綻を受けたリスク回避の動き再燃 ドル円一時133円台割れ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、リスク回避の動きが再燃している。週明けも欧州株が銀行株主導で急落、逃避先として主要国債券が買われている。独DAX指数は一時3%超安、独2年債利回りは一時50bp超低下した。米シリコンバレー銀行の破綻の影響が引き続き警戒されている。米当局は預金全額保護や緊急融資などの施策を発表したが、市場の不安は収まらないようだ。この日の時間外取引では米ファースト・リパブリック銀行株が一時60%安と売り込まれている。主要国中銀の利上げ観測にも大きな影響がでている。3月米FOMCについては金利据え置き観測が約4割に上昇、25bp利上げは約6割に低下している。ECBのターミナルレートについては3.50%を下回る水準へと市場の織り込みが低下している。為替市場では円買いとドル買いの動きが交錯。ドル円は134円台後半から一時132.95近辺まで下落した。ユーロ円は144円台乗せから流れが反転して一時141.90台まで下落。ポンド円も163円付近から160.65近辺まで下落した。足元では下げ一服も戻りは限定的。ユーロドルは1.07台を維持できず、1.0660付近へと反落。ポンドドルは1.21台割れから1.2050付近まで反落した。独連銀は危機管理チームが会合し、SVB破綻で起こり得る影響を分析すると発表。ユーログループ議長や仏財務相は欧州への影響は限定的と、市場の不安を鎮めることに注力していた。
ドル円は133円台後半での取引。東京市場では134円台割れから後半へとじり高の動きとなっていた。しかし、ロンドン勢の参加とともに流れが下押しへと変化した。欧州株が急落、欧州債が買われて利回りが急低下とリスク回避の動きが再燃している。一時132.95レベルまで安値を広げた。その後は米債利回り動向をにらんで下げ渋っているが、ロンドン朝方の水準までは戻していない。
ユーロドルは1.06台後半での取引。週明け東京市場では1.06台後半から1.07台乗せへと上昇、高値を1.0737近辺に伸ばした。ロンドン朝方までは1.0720台に高止まりしていた。しかし、ロンドン勢の参加とともに売りが強まると1.0650台まで反落している。ユーロ円は163円付近へとじり高となったあと、ロンドン時間には売りが強まっている。一時160.65近辺まで大幅に下落。その後の戻りは161.50手前までと限定的。対ポンドでは売買が交錯も、ややユーロ売りに押されている。この日は、目立った欧州経済指標発表はなく、リスク動向にらみの展開となっている。
ポンドドルは1.20台半ばでの取引。東京昼頃に1.2140近辺まで買われたあとは、上値重く推移している。ロンドン序盤には1.2050割れまで反落、東京午前の上げを戻している。ポンド円は163円台乗せまで買われたあとは、一気に流れが売りに転している。ロンドン序盤には160.65近辺まで安値を広げた。その後の反発は161円台前半までにとどまっている。ユーロポンドは0.88台前半から一時0.8864近辺まで上昇したが、ロンドン時間に入ると再び0.8830近辺に反落した。ただ、売買が交錯しており、ユーロ対ポンドの流れははっきりせず。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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