【これからの見通し】パウエル米FRB議長の議会証言待ち、市場はどこに反応するか
【これからの見通し】パウエル米FRB議長の議会証言待ち、市場はどこに反応するか
きょうとあす、パウエル米FRB議長が半期に一度の議会証言を行う。先に実施されるきょうの上院銀行委員会に対する注目度が高い。インフレ動向に関する認識、利上げ幅に対する考え方、ターミナルレート水準についての見通しなどチェックポイントは多い。
インフレ動向については、ヘッドライン・インフレの鈍化傾向がかなりはっきりとしているが、労働市場のひっぱくを受けた賃金上昇圧力の強さが2次波及的なインフレを根強くさせている点が指摘されそうだ。後はその強弱感となろう。
利上げ幅については25bpの定常的なペースが中心と見込まれるが、インフレ高進の場合、もしくはその逆に予想以上のインフレ鎮静化の場合にどうするのか。新たな内容が出てくるのかどうかがポイントとなろう。
ターミナルレート水準の見通しについては、インフレ動向などファンダメンタルズ状況の分析に関わる問題となる。タカ派のメンバーからは5%を優に超える水準が示唆されてきている。パウエル議長が具体的な水準に言及してくるのかどうかが注目される。
ただ、総じて言えることは、今週末の米雇用統計や、来週に米消費者物価指数を控えた段階での議会証言であることだ。両指標の結果次第で、市場のセンチメントは大きく変化することから、パウエル議長からは新たな見通しは示されにくいタイミングだとの見方もある。いずれにせよ、パウエル議長からサプライズな発言内容がでてくるのかどうかをチェックしたい。日本時間8日午前0時に始まる予定。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス失業率(2月)、ドイツ製造業新規受注(1月)、南アフリカ実質GDP(第4四半期)、米卸売在庫(確報値)(1月)など。発言イベント関連の予定は、ほぼパウエル議長議会証言に限定される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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