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FX/為替「ドル/円、日米金融政策の見通し相違で荒い値動き続く」 外為どっとコム トゥデイ 2023年1月19日号

マネ育チャンネル 

外為どっとコム トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年1月19日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼18日(水)の為替相場
(1):日銀 金融政策の現状維持を決定
(2):日銀総裁 定例会見
(3):英12月CPI 予想通り伸びが鈍化
(4):複数の米経済指標発表 ドル売り優勢
(5):FRB高官のタカ派発言 ドル買戻し

▼18日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:不安定な値動きが続く公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

18日(水)の為替相場

期間:18日(水)午前7時10分~19日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀 金融政策の現状維持を決定

日銀は金融政策の現状維持を決定。短期金利を-0.10%、長期金利を0±0.5%に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)にも修正を加えなかった。決定は大方の予想通りではあったものの、YCCの長期金利許容変動幅を前回に続いて拡大するとの思惑がくすぶっていたことから、本邦長期金利が急低下するとともに円売りが活発化した。「共通担保資金供給オペ」の拡充を合わせて決めたことや、展望リポートで2023年度の物価見通しを日銀目標の2%を下回る1.6%に据え置いたことも材料視された。ドル/円はその後131.58円前後まで上昇。クロス円もつれて大幅高となった。

(2):日銀総裁 定例会見

黒田日銀総裁は定例会見で「物価目標の持続的・安定的な達成見通せる状況になったとは考えていない」とした上で「金融緩和を継続し、賃上げ伴う形で物価目標の達成を目指していく」と表明。 「長期金利の変動幅をさらに拡大する必要はない」「YCCは十分持続可能」との認識を示した。総裁の発言に目新しい内容がなかったこともあって、会見中にドル/円は上げ幅を縮小した。

(3):英12月CPI 予想通り伸びが鈍化

英12月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.5%と予想通りに前月(+10.7%)から小幅に伸びが鈍化した。エネルギー・食品などを除いたコアCPIは前年比+6.3%だった(予想+6.2%、前月+6.3%)。

(4):複数の米経済指標発表 ドル売り優勢

米12月小売売上高は前月比-1.1%と予想(-0.9%)を下回った。自動車を除いた売上高も前月比-1.1%に落ち込んだ(予想-0.5%)。米12月生産者物価指数(PPI)は前年比+6.2%と市場予想(+6.8%)を下回り、前月(+7.3%)から鈍化。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+5.5%に減速した(予想+5.6%、前月+6.2%)。その後に発表された米12月鉱工業生産は前月比-0.7%と市場予想(-0.1%)を超える落ち込みとなった。これらを受けてドル売りが優勢となり、ドル/円は127.55円前後まで下落した。

(5):FRB高官のタカ派発言 ドル買戻し

ブラード米セントルイス連銀総裁は「米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ打ち止め前に可能な限り迅速に5%を上回る水準に引き上げるべき」と発言。メスター米クリーブランド連銀総裁も「金利は5-5.25%を若干超えて上昇するべき」との見解を示し「今後数カ月以内に利上げを一時停止する前に、インフレがより速く低下するのを確認する必要がある」と述べた。これを受けてドルに買戻しが入った。

18日(水)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

<外為注文情報はこちら>

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:不安定な値動きが続く公算

昨日のドル/円は値動きの荒い展開となった。日銀が緩和修正を見送り金融政策の現状維持を発表すると128円台半ばから131円台半ばへと急伸。しかしその後は戻り売りが優勢となり、欧州市場中盤には128円台へ押し戻された。

NY市場に入ると複数の米経済指標の悪化を受けて一時下落に転じ、127円台半ばまで軟化。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言などで切り返すと128円台後半へと持ち直して前日比0.6%高で取引を終えた。

日銀は金融緩和維持の姿勢を強調したが、市場には4月の総裁交代後に政策修正が行われるとの観測がくすぶり続けている。FRBは引き締めの長期化を示唆するが、市場では米景気後退にともなう年内の利下げ転換予想が根強い。日米双方の金融政策を巡る当局と市場の見通しの相違がドル/円の変動率を高めているようだ。そうした中、ドル/円は本日も不安定な値動きが続く公算が大きいだろう。

注目の経済指標:複数の米経済指標

注目のイベント:ラガルドECB総裁講演

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※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

 
kanda.jpg株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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マネ育チャンネル:外為どっとコム

執筆者 マネ育チャンネル

執筆者 : マネ育チャンネル|外為どっとコム

マネーを育てよう!をテーマに、外為どっとコム総合研究所に所属する研究員が執筆するオリジナルレポートのほか豪華講師陣の貴重なFXレポート、個人投資家や著名投資家のインタビュー記事など、バラエティ豊かな情報を配信しています。為替トレンドに合わせた特集記事やFX初心者でも安心の学習コンテンツを用意しており、個人投資家の取引技能の向上に寄与すべく活動しています。

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