ユーロドルは上に往って来い ただ、ＥＣＢは予想以上にタカ派＝ＮＹ為替

　きょうのユーロドルは上に往って来いの展開を見せている。この日のＥＣＢ理事会とラガルド総裁の会見を受けてユーロドルは買いが加速し、一時１．０７３５ドル付近まで急上昇した。ただ、きょうの為替市場はドル買いが強まっており、ユーロドルは買いが一巡すると１．０６ドル台前半に急速に伸び悩んでいる。米株式市場でダウ平均が一時７００ドル超下落しており、リスク回避の雰囲気がユーロドルを圧迫している。

　ただ、本日のＥＣＢ理事会は予想以上にタカ派な印象となった。市場では、先日のユーロ圏消費者物価指数（ＨＩＣＰ）が予想を下回っていたことから、タカ派色が和らぐとの見方も出ていた。

　ＥＣＢは予想通りに０．５０％ポイントの利上げを打ち出したが、来年のインフレ見通しを上方修正した上で、追加利上げを示唆した。「金利はまだ安定したペースで大幅に上昇する必要ある」としている。さらにラガルド総裁は会見で「一定期間の０．５０％ポイントの利上げ継続を見込むべき」と述べ、ユーロ買いを加速させていた。

　今回のＥＣＢ理事会を受けて短期金融市場では、ＥＣＢは来年の上半期までに中銀預金金利をあと計１．２５％ポイント引き上げ、ターミナルレート（最終到達点）の見通しを３．２５％に引き上げている。

EUR/USD　1.0649　EUR/JPY　146.53　EUR/GBP　0.8716

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美