ポンド主導でドル買い広がる、ドル円は143円付近に上昇=ロンドン為替概況
ポンド主導でドル買い広がる、ドル円は143円付近に上昇=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ポンド主導でドル買いが広がっている。東京不在のアジア市場では様子見ムードが広がった。日銀の円買い介入の気配はみられず、ドル円は142円付近、ユーロドルは0.98台前半、ポンドドルは1.12台半ば付近での揉み合いが続いた。ロンドン時間に入るとユーロドルやポンドドルの売りが先行、ドル買い圧力が再燃している。欧州株や米株先物が軟調に推移し、リスク警戒的なドル買いが入ったほか、ユーロ圏や英国の9月PMI速報値が弱含んだことで景気後退が意識された面もあった。さらに、クワーテング英財務相が大幅減税を伴う景気支援策を発表。5年間で1610億ポンドのコストとなることが示された。市場ではインフレ高進が警戒され、11月の英中銀会合で100bp利上げが織り込まれている。また、大規模な景気支援策が財政持続性に不透明感を広げ、英国債が下落、ポンド相場が一段安となった。ポンドドルは一時1.1020付近まで急落した。各国に債券売りが波及し、米10年債利回りは3.82%まで上昇。ドル買いの動きがひろがってユーロドルは0.97台前半まで下落。ドル円は143.27レベルまで反発した。ただ、143円台に入ると一気に売り戻される場面があり、前日の円買い介入の余波で市場は神経質になっているもよう。
ドル円は143円付近での取引。アジア市場では142円付近で膠着状態となっていたが、ロンドン時間に入ると米債利回り上昇とともに買われている。ユーロドルやポンドドルの下押しがドル買いにつながった面も。一時143.27レベルまで買われ、昨日の円買い介入後の戻り高値を付けている。ただ、143円台に乗せると142円台前半まで売り戻しが入る場面があり、介入の余波で神経質な面をのぞかせた。
ユーロドルは0.97台半ばでの取引。アジア時間では0.98台前半での揉み合いが続いたが、ロンドン時間に入ると売りに押される展開となっている。ユーロ圏PMI速報値が弱含んだことがユーロ売り材料となったほか、株安・債券安などリスク動向が不安定となったことがドル買いにつながった。ポンドドルの下落につれ安となった面も。ユーロドルは一時0.9737近辺まで安値を広げた。ユーロ円は売買が交錯。140円手前で上値は抑えられており、一時139円割れまで下押し。ただ、下値もサポートされて139円台での上下動となっている。対ポンドではユーロ買いが優勢。カザークス・ラトビア中銀総裁は、ECBは今後の理事会で必ず利上げを継続するだろう、としたが、より速い米国の利上げがユーロ安につながっている、ラトビア経済は景気後退の恐れに直面しているなどとユーロ売りを誘う内容もあった。
ポンドドルは1.10台半ばでの取引。アジア時間に1.12台前半で揉み合ったあと、ロンドン時間に入ると売りが強まっている。英PMI速報値が悪化したことが売り圧力となったほか、クワーテング英財務相が発表した大幅減税をともなう景気支援策が5年間で1610億ポンドと大規模で、英国債が急落している。市場では財政の持続性に不透明感が広がったもよう。ポンド相場が嫌気され、一時1.1021近辺まで下落した。ポンド円は160円付近が重くなると、157.56近辺まで安値を広げた。ユーロポンドは0.87ちょうど付近から0.8840台まで上昇。全般にポンド安の動きが広がっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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