ナイキが通期の粗利益率に低調な見通し示す 中国にも慎重 株価はプラスに転じる=米国株個別
ナイキ<NKE>が前日引け後に3-5月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。何カ月も続いたサプライチェーン問題の圧力を克服し、好調な決算を発表。同社はまた、新たに自社株買いを従来の150億ドルから180億ドルに拡大することも発表した。
同社はスポーツ用品店など卸売での販売を縮小し、ディック・スポーティング<DKS>などの残っているパートナーには投資しながら、eコマースでの直販に力を入れている。そのため、直販での売上高は為替の影響を除けば15%増となった。
ただ、同社が過去1年間苦戦してきた大中華圏の売上高は20%減となり予想を下回った。ロックダウンによる生産問題は解決したが、国際貿易を圧迫し続けている輸送問題が依然として同社を悩ませている。在庫は23%拡大し、多くの商品が輸送中に立ち往生しているという。
また、決算説明会で通期の粗利益率について低調な見通しを示したほか、中国市場に関する見通しに慎重だと説明したことも圧迫。粗利益率については、横ばいから0.5%ポイントの低下を見込んでいる。
株価は売り先行で始まったものの、全体相場が買い戻しを強めていることから、同社株もプラスに転じている。
(3-5月・第4四半期)
・1株利益(調整後):0.99ドル(予想:0.82ドル)
・売上高:122.3億ドル(予想:121.3億ドル)
北米:51.2億ドル(予想:52.3ドル)
EMEA:32.5億ドル(予想:30.1億ドル)
中華圏:15.6億ドル(予想:17.4億ドル)
アジア太平洋・中南米:16.8億ドル(予想:15.7億ドル)
・粗利益率(調整後):45.0%(予想:46.7%)
・在庫:84.2億ドル(予想:70.3億ドル)
・直接販売:48億ドル
(NY時間09:35)
ナイキ<NKE> 113.08(+2.58 +2.34%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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