米雇用統計と株安で上下動 ドル円は112円台に再び下落し直近安値に顔合わせ=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場は上下動。朝方発表になった11月の米雇用統計の発表直後はドル円も売りが強まった。しかし、反応は一時的で、すぐに買い戻されている。ただ、今度は米株がIT・ハイテク株中心に売りが強まり、市場の雰囲気も次第に悪化。米国債利回りも下げに転じる中、ドル円は112円台に再び値を落とす展開となった。一時112.55円近辺まで下げ幅を拡大する場面もみられ、11月30日に付けた直近安値に顔合わせした。この水準をブレイクするようであれば、下げ足を速めそうな気配もある。

 米雇用統計だが、非農業部門雇用者数(NFP)が予想の半分以下だった。ただ、失業率が大幅に低下し、FRBの正常化スタンスに影響を与えるものではないと見られている模様。米雇用統計後にブラード・セントルイス連銀総裁の発言が伝わっていたが、「4.2%の失業率はFRBの支援解除に向けた良い事例」と述べていた。一方、インフレ指標の一環として、FRBは平均賃金の動向に注目しているが、今回の数字は予想こそ下回ったものの、インフレ上昇の長期化への懸念を正当化する内容ではあった。きょうの米雇用統計は15日のFOMCが、今週のパウエル議長の証言を踏襲する内容になるとの見方を補強する数字と受け止められているようだ。

 ドル円は113.60円近辺まで一時上昇したが、21日線が控える113.95円付近にはなお慎重。米株の上値が重くなっていることもあり、年末に向けた調整はなお続いているものと思われる。

 ユーロドルは1.13ドルを挟んで上下動。米雇用統計発表直後は1.1335ドル付近まで瞬間的に上昇する場面もみられたが、次第にドル買いが優勢となったことで1.12ドル台に値を落としていた。しかし、市場の雰囲気悪化と伴に今度はドル売りが優勢となり1.13ドル台に戻す展開。

 オミクロン株のニュースに市場は不安感を強めているが、この時のユーロの反応は買いであった。もし、オミクロンが市場が考えているよりも事態が深刻なことが判明し、市場のセンチメントに打撃が加わった場合、ユーロは一旦下落するものの、反転のきっかけになるとの見方も出ている。FRBの正常化に不透明感が高まるためだという。逆にオミクロンが鳴りを潜めれば、各国の中銀がFRB主導で引き締めスタンスを続けることから、ユーロは再び下値模索に戻るという。

 ポンドドルは下値模索が続き、1.32ドル台前半まで下落。11月30日に付けた1.3195ドル付近を再び下値ターゲットに入れている。対ユーロでもポンドは下落しており弱さが目立った格好。ロンドン時間にソーンダース英中銀委員の発言が伝わっていたが、「オミクロン株のデータを待つことに一定の利点がある」と述べていた。今月16日の英中銀金融政策委員会(MPC)での利上げを巡って市場では見解が分かれている。市場は0.15%の利上げを期待していたが、英中銀はオミクロンに対するワクチンの効果がどれほどなのか確認したいと考えているとの報道も伝わっていた。

 11月には利上げはほぼ確実とみられていたが、ここに来てその期待は一気に後退している。ちなみに、翌日物金利スワップ市場では現時点で、12月16日のMPCでの利上げ確率を25%程度で織り込む動きを見せている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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