【これからの見通し】ポンド相場が高値からの調整に押される、きょうはどうか
【これからの見通し】ポンド相場が高値からの調整に押される、きょうはどうか
ドル相場、円相場ともに混とんとした状況が続いている。ドル相場は4月以降の下降トレンドが勢いが足元では弱まっており、ドル高方向を模索する動きが交錯。しかし、ドル高方向への抜け出しにも迫力がない。ドル円は110円台に乗せると上値を抑えられている。ドル相場はドル安水準での推移も、目先の方向性はハッキリしない状況だ。
株式市場は比較的安定した推移となっており、調整圧力はそれほど高まっていない。原油先物は世界需要の回復を見込んで上昇基調を強めている。円相場にとってはリスク選好的な円安圧力となりやすい。ただ、クロス円は通貨ごとにまちまちの動き。
そのなかで、ポンド相場の上昇が目立っている。英国でのワクチン接種の進展がその他諸国に先んじており、行動制限措置解除の動きも着々と進んでいる。経済対策も奏功している。ただ、経済回復にはゆがみが出始めている。住宅優遇措置のために住宅価格が高騰、英金融当局者も警戒してみている状況だ。これまで英中銀はインフレは一時的との認識を示していたが、そうもいってはいられなくなってきているようだ。利上げの可能性を示唆する声もでている。英経済はユーロ圏と比較して、経済政策に対する感応度が高いようだ。インフレはしばしばオーバーシュートすることがある。
しかし、今週に入ってからポンド相場は高値からの調整に押されている。こうなると、インフレ進行の弊害やら、新型コロナ変異種への警戒感やら、悪材料がクローズアップされやすくなる。材料に基づいて相場が反応することが通常だが、相場の値動きに材料が後付けされるイレギュラーな局面になっているのかもしれない。ファンダメンタルズやワクチン動向などに素直な反応をみせるようになるには、いましばらくポジション調整の段階を踏む必要がありそうだ。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏生産者物価指数(4月)、米MBA住宅ローン申請指数(28日までの週)、カナダ住宅建設許可(4月)、カナダ景気先行指数(4月)、ブラジル鉱工業生産指数(4月)など。
発言イベント関連では、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるほか、シカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁、ダラス連銀総裁などがミネアポリス連銀主催オンラインイベントに出席する。欧州では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、エルダーソンECB理事、ゲオルギエバIMF専務理事、バイトマン独連銀総裁、ラガルドECB総裁がイベントや講演に参加する。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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