ドル円は103円台後半で上下動 米国債利回り低下で上値重い=NY為替概況

今日の為替 

 きょうのNY為替市場はドル買い戻しが優勢となり、ドル円も東京時間の103円台半ばから104円手前まで戻す展開が見られた。しかし、104円台には慎重になっているようだ。その背景には米国債利回りの低下が挙げられる。

 バイデン次期大統領と民主党の勝利で、積極的財政への期待が高まっている。それと伴に市場はインフレ期待を高めており、米国債利回りが上昇。その動きがドル円の買い戻しを支援していた。また、FOMCメンバーから今年終盤での資産購入ペース縮小への言及も米国債利回りと伴にドル円をサポートしていた。

 しかし、きのう辺りから、FOMCメンバーの発言が慎重になっており、きょうのブラード・セントルイス連銀総裁やブレイナードFRB理事の発言は、資産購入ペース縮小に対する慎重姿勢を強調していた印象も強い。市場からは2013年に発生したテーパー・タントラムの危険性を指摘する声も出ている。当時のバーナンキFRB議長が量的緩和(QE)の縮小に言及したことで、市場が過度に反応し、米国債利回りを急上昇させてしまった。

 きょうは米30年債入札があったが、前日の10年債に引き続き好調な入札となり、米国債利回りを押し下げた。入札結果発表後にドル円も売られる場面が見られていた。

 一方、ユーロドルは軟調。一時1.2140ドル近辺まで下落した。イタリアのレンツィ前首相の発言で上下動する場面がみられた。前首相はコンテ首相と連立政権を樹立しているが、EU復興基金の使い道を巡って対立している。そのような中でレンツィ氏が、「党から出ている閣僚を連立政権から引き揚げる」と述べたことから、市場は連立解消へのリスクを高め、ユーロは売りが強まった。しかし、レンツィ氏は、コンテ首相が新たに組閣する内閣を拒否はしない姿勢にも言及したことから、今度は急速に買い戻されている。

 イタリアの政治動向については、イタリア債とドイツ国債との利回り格差拡大を含めて、ユーロのリスク要因の1つとして市場も注視している。

 ポンドドルも戻り売りに押される展開。前日はベイリー英中銀総裁のマナス金利への消極的な発言をきっかけにポンドは買い戻しを強めていた。しかし、英国では封鎖措置の再導入にもかかわらず、感染拡大は依然深刻な状況に変化がなく、先行きへの不安感も高まっている。本日の英当局の発表によると、陽性判定から28日以内に死亡した患者は1564人増加し、パンデミック開始以来最悪の状況が続いている。1月11日時点での入院患者も3万6489人に上る。

 3回目の都市封鎖が第2週目に入ったにもかかわらず、一向に改善がみられないことで、一部からは、封鎖がウイルスの新株の拡散抑制に不十分なのではとの懸念も出始めている。ジョンソン英首相はきょう、「現在の措置が機能している初期の兆候がある」と述べていたが、より厳しい制限を導入する可能性を排除しなかった。もし、封鎖措置が強化されれば、英経済への影響は市場の想定以上に長引き、一旦後退したマイナス金利導入の観測がいつ高まってもおかしくはない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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