今週のまとめ5月25日から5月29日の週

為替 

 25日からの週は、ドル安の動きが優勢だった。新型コロナによる行動制限を緩和する国に多くなっており、経済活動再開への期待が世界的に株式市場を押し上げている。リスク回避的なドル需要は後退、ドル売りの流れとなっている。特にユーロドルが堅調。その他主要通貨にもドル安の動きを波及させている。欧州委員会が新型コロナ支援基金計画を提案と報じられたことが、経済再生への期待を広げた。前週までの独憲法裁判所のECB政策違憲判断によるネガティブムードは払しょくされている。英国ではマイナス金利をめぐる報道が多くみられ、一段の緩和期待を醸成させてきているようだ。一方、EU離脱移行期間の期限延長はないとの英政府方針が繰り返されたことや、首相側近の自粛期間の長距離移動などマイナス材料がユーロと比較しておインドの上値を重くしていた。一方、中国全人代での香港国家安全法の制定が採択が市場に影を落とした点も見逃せない。週末にかけて米国の対抗措置などが警戒されている。ドル円は株高の動きに乗じて108円台を試したが、上値は重かった。トランプ大統領は中国の香港に対する国家安全法可決などを批判して会見を行ったが、即時の制裁を示さないなど、強いものではなく、ドル円は引けにかけてしっかりの展開に。


(25日)
 東京市場で、ドル円は107円台後半の狭いレンジで揉み合った。香港に対する国家安全法の導入に対する警戒感と、週末の香港での大規模デモへの警戒感もあり、早朝オセアニア市場は若干のドル売り円買い。その後は、株高の動きなどを受けて下げ渋り。107.50近辺から107.80近辺までのレンジにとどまった。英国がバンクホリデー、米国がメモリアルデーで休場となることもあり、参加者が少ないこともあって値動きは限定的だった。ユーロ円は117円台前半、ユーロドルは1.0890前後での推移が続いた。

 ロンドン市場は、全般に方向性に欠けた。英国がスプリング・バンクホリデー、米国がメモリアルデーの祝日で休場となっており、取引手控えムードが広がっている。そのなかでは、ユーロが神経質に振幅した。ユーロドルは序盤に1.0870近辺まで下押しされたあと、1.09台乗せまで反発した。ユーロ円は117.10近辺へと下落したあと117.40台まで反発。この日発表された第1四半期ユーロ圏GDP確報値は速報値と同水準だったが、個人消費が前期比-3.2%と落ち込んでいた。一方で、5月のドイツIfo景況感指数は79.5と前回の74.2から大幅に改善しており、ロックダウン解除によって今後の見通しが明るくなったことを示していた。また、独政府が中小企業支援策を計画しているとの報道も好感されたようだ。ポンドドルは特段の新規材料に欠けており、1.21台後半での揉み合いに終始。ポンド円も131円ちょうど近辺から131.30近辺での小動き。ドル円は107.70を挟んだ水準に高止まり。安倍首相が正式に緊急事態の解除を宣言したが、目立った反応はみられなかった。

NY市場はメモリアルデーのため休場。

(26日)
 東京市場で、ドル円は堅調な推移。午前の取引で107.70近辺から107.93レベルまで上昇する場面があった。その後はやや調整が入ったが、下げは限定的だった。ドル円の上昇は黒田日銀総裁の必要なら躊躇なく追加緩和を実施との発言がきっかけだったもよう。内容には新規性はなかったが、一部にはアルゴリズム取引の反応とのうわさもあった。ユーロドルは1.09を挟む水準での推移。ユーロ円は朝方に117.30近辺から117.80近辺まで上昇した。日経平均が大幅高となるなどリスク選好の動きが下支え。

 ロンドン市場は、リスク選好の動き。経済再開の動きを受けた株高や原油高を受けて、ユーロドルやポンドドルが買われるなどドル安が進行。クロス円も上昇しており、円安の動きが加わった。ユーロドルは1.09台前半から後半へ、ポンドドルは1.22台前半から1.23台乗せへと上昇。ユーロ円は一時118円台を回復、ポンド円は132円台乗せから132円台後半へと買われた。ただ、取引中盤にかけては欧州株が上げ幅を縮小、原油高も一服しており、やや調整が入っている。そのなかで、ドル円は売りが優勢。ロンドン取引中盤には107.50台にきょうの安値を広げた。ビルロワデガロー仏中銀総裁は、ECBの強い政策対応のなかで、PEPPは傑作だといえよう、と自画自賛。政策金利の変更は、現時点では必要ない、としてマイナス金利の深堀を否定していた。ホールデン英中銀委員は、マイナス金利についての議論と、実行することは別のものだとしており、マイナス金利導入についての明言を避けていた。5月英CBI小売調査指数は4月からやや改善し、最悪期からは回復していた。

 NY市場では、ドル円は107円台での膠着した取引が続いた。ドルと円がリスクに対して同方向に動いており値動きがない。きょうの市場はリスク選好の雰囲気が強まっており、米国を始め、世界各国の株式市場が大きく上昇している。引き続き経済再開への期待感が市場を押し上げている。各国政府が緊急事態宣言の解除に動く中、それに伴って追加対策を検討していることも、市場の期待感に結びついているようだ。ワクチン開発が活発化していることも好材料。一方、米中対立への懸念は依然として強い。米大統領補佐官は中国の国家安全法について「法案が成立した場合、中国に対し制裁を科すことになるだろう」と述べた。ユーロドルは1.10台手前まで買われている。ポンドドルはショートカバーが強まり1.2360近辺まで一時上昇。 

(27日)
 東京市場で、ドル円は107円台半ばを挟んで方向感のない動き。朝方は前日の海外市場での株高の調整もあって、ややドル安・円高の動き。一時107.30台まで軟化した。その後は、日本株が上昇する動きに一時107.60台まで買われた。米株先物も時間外取引で堅調。ユーロドルは前日の取引で、1.10台手前まで上昇した。朝方は1.0980前後での揉み合いで取引を開始。その後は、ドル円の上昇局面でドル高の動きが広がり、1.0950台まで軟化している。1.10台を付けられなかったことで、短期筋の売りを誘った面も指摘された。

 ロンドン市場は、ユーロ買いの動きが目立っている。序盤は売りが先行した。デギンドスECB副総裁が今年の欧州経済見通しを8-12%の縮小としたことや、ラガルドECB総裁が経済見通しについて楽観シナリオは消え、中間と悲観シナリオの間になるとの見方を示したことが背景。ユーロドルは1.09台前半へと下落。しかし、一部報道で欧州委員会が7500億ユーロ規模の新型コロナ支援ファンドを提案へ、としたことで一気に買いに転じた。ユーロドルは4月1日以来の1.10台前半へと買い上げられた。買いが先行していた欧州株は一段高に。ポンドや豪ドルなどにも買いが波及している。ドル円は107円台半ばから後半へと上昇。第2次補正予算案について閣議決定したことが好感された面もあったようだ。

 NY市場で、ドル円は107円台後半での取引が続いた。香港国家安全法をめぐる米中対立激化への懸念が高まっているが、時間外で米株先物が強い動きもあって、107.95円付近まで上昇する場面が見られた。しかし、米株式市場が始まると、ハイテク株中心に利益確定売りが強まった。ドル円は108円台乗せには至らず、107円台後半で揉み合った。リスク動向をにらんで狭いレンジで一喜一憂となっている。米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、経済活動は全ての地域で低下を示していたが、市場は織り込み済みとして反応薄に。ユーロドルは上昇一服となり、1.09台半ばまで一時反落。ポンドドルは1.22ちょうど付近まで下げる場面があった。ベイリー英中銀総裁は「利下げが引き起こす問題を協議することは重要」とマイナス金利に含みをもたせたが、ポンド相場は反応薄だった。

(28日)
 東京市場で、ドル円は107円台後半での揉み合い。前日NY市場でのレンジ内にとどまるなかで、日本の財政懸念や株高を背景に、やや円売りが優勢だった。一時107.90近辺まで強含んだ。ただ、財政懸念についてはすべて国の財政も悪化しており、日本だけが突出しているわけではない。このあとの中国全人代最終日に香港国家安全法の採択が行われるが、逃避的な円買いよりもドル買い圧力が勝っている面も。ユーロ円は118.96近辺まで上昇、4月以来の高値を更新した。前日に報じられた欧州委員会の7500億ユーロ規模の支援基金構想の提案が下支え。ただ、今後の実現への障害も指摘され、ユーロ円には売り戻しも入っている。ポンド円は132円台前半からちょうど付近での取引。豪ドル円は71円台半ばから前半で小安い。

 ロンドン市場は、全般的に小動き。注目された中国全人代で、香港国家安全法の制定が採択された。その後の李中国首相の会見では、今年のプラス成長目標を達成可能だとした。また、米中関係については課題があるものの、協力姿勢を打ち出しており、市場で懸念されたような対決姿勢は封印されていた。欧州株や米株先物は堅調に推移し、NY原油先物も下げ渋っている。為替市場は思いのほか静か。ドル円は107円台後半でやや上値重く推移。クロス円もユーロ円が118円台後半から半ばへ、ポンド円が132円台前半から一時132円台割れと小安いが、前日のレンジ内にはとどまっており、調整の範疇の動き。ユーロドルは1.10ちょうど挟み、ポンドドルは1.22台後半を中心として揉み合っている。ポンドは対ユーロでは軟調。ソーンダース英中銀委員が、低インフレの罠に陥るリスクを指摘、緩和政策は過小であるよりは過大なほうがより安全だと述べている。5月ユーロ圏景況感は依然として低迷したが、前日の支援策報道のあとで市場の反応はほとんどみられなかった。

 NY市場は、全般にドル安・円安の動き。ユーロドルやポンドドルが上昇、ユーロ円やポンド円なども買いが優勢となった。そのなかで、ドル円はドル売りと円売りに挟まれる形で値動きが膠着している。米株が堅調に推移し、ダウ平均は一時200ドル近い上昇をみせている。中国全人代最終日の28日、東京市場午後に採択された香港に対する国家安全法は、圧倒的多数で賛成可決した。基本的に採決が否決されることはないということもあり、織り込み済みだった。朝方に発表された米第1四半期GDP改定値は速報値から下方修正、耐久財受注は前回から一段と低下、新規失業保険申請件数はほぼ予想通りも直近10週で4000万件台に乗せるなど、厳しい状況が示された。一方で、経済再開を期待する動きも根強い。ユーロドルは1.11台に迫る動き。ユーロ円は119円台乗せ。ユーロにとっては27日に報じられた復興基金への期待も引き続き下支えに。

(29日)
東京市場では、ドル円が下落している。朝方の107.70近辺を高値にその後は売りに押されている。東京午後には107.09レベルまで安値を広げた。昨日、中国の全国人民代表大会は香港の国家安全法を制定することを決定し、香港を巡る緊迫感が高まっている。本日、トランプ米大統領は会見を行う予定となっており、米国を中心とした西側諸国と中国の緊迫感が一段と高まる見通しであることが逃避的な円買いにつながった。円が香港からの資金流出の受け皿になるとの指摘がある。ユーロドルは1.10台後半から一時1.11台乗せ、ポンドドルは1.23台半ばへと上昇している。欧州通貨でのドル安もドル円を圧迫した。ユーロ円は119円台割れ、ポンド円132円台前半で上値重く推移している。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。ドル円は朝方に107.09レベルまで下落、ユーロドルは1.1140近辺へと高値を伸ばした。豪ドル/ドルは0.6660台へと上昇。そのなかではポンドは上値が重く、1.2358レベルまで買われたあとは1.23台割れとなる場面があった。ユーロ買い・ポンド売りが強まったことが背景。ユーロにとっては今週の欧州委員会のコロナ支援基金報道が引き続き買い材料となっているようだ。一方で、ポンドにはEU離脱交渉に難航、英首相側近の不祥事、英中銀の追加緩和観測などが上値進行にブレーキをかけやすい状況。ただ、序盤の値動きが一巡したあとは、市場にはトランプ会見待ちの雰囲気が広がっている。

 NY市場は午前中にドル安円安の動き。ユーロ円やポンド円でロンドンフィックスにかけての実需買いが入ったのではと見られた。ロンドンフィックス時間を過ぎて調整も、その後引けにかけてはドル高円安の動き。ナスダックがしっかりとした動きとなり、ダウ平均も一時の下げから回復する中で、リスク選好の動きが継続。パウエル議長はマイナス金利を改めて否定。トランプ大統領は中国に関する会見で、中国への不満感が示されたものの、即時の制裁実施は見送られ、市場のリスク選好の流れが継続する格好となった。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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