米失業保険申請は激増の予想=外為どっとコム総研 神田卓也
米失業保険申請は激増の予想
【基調】
不安定
【注目イベント】
・3/26 パウエルFRB議長テレビ出演、米新規失業保険申請件数
・米長期金利、主要国株価、国際商品価格
【本文】
ドル/円相場は24日に付けた111.72円前後の戻り高値からやや水準を下げて110円台で推移している。各国の中銀が協調して大量のドルを供給した事などから、ドル調達を巡る不安が和らいでいる模様だ。そうした中、本日のNYタイムに発表される米新規失業保険申請件数に市場の関心が集まっている。新型コロナウイルスの感染拡大により都市の封鎖が行われている事などから、失業保険申請が急増すると見られており、市場予想では164.0万件と前週(28.1万件)から爆発的に増加する見込みとなっている。なお、一部には300万件から400万件の大幅増を見込む米金融機関もあるようだ。
一般的には、失業保険申請の件数増加はドル売り要因と解釈される。ただ、足元の非常事態に鑑みれば必ずしもそうとは言えないかもしれない。市場がパニックを起こすほどの大幅な増加となれば、一旦後退したドル確保の動きが再び強まりかねない。ドルの調達不安が再燃すれば為替市場でドル買いの動きが強まる可能性もある。いずれにしても、指標の結果とドルの反応を完全に読み切るのは不可能に近い。予断を持たずに発表を待ちたいところだろう。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。