ドル円は一時106円台に下落、株安と米債利回り低下で=ロンドン為替概況
ドル円は一時106円台に下落、株安と米債利回り低下で=ロンドン為替概況
5日のロンドン市場では、ドル売りの動きが再燃している。当初は米株先物や欧州株の軟調な動きでリスク回避的な円買いおよびドル買いの動きがみられたが、米10年債利回りが再び1%の節目水準を下回り、0.95%台まで低下する動きとともにドル売り圧力を受けている。ドル円は前日安値を割り込み、106.80レベルまで下落。昨年10月7日以来の安値水準となっている。ユーロドルは売りが先行して1.1120レベルまで小幅の下げたが、その後は上昇に転じて1.1178レベルに高値を広げた。ポンドドルは1.2870近辺から買いが継続しており、高値を1.2931レベルまで伸ばした。ユーロ円やポンド円などのクロス円は上下に振れるも、明確な方向性は示していない。ユーロ円は119円台前半から半ば、ポンド円は138円台前半での振幅にとどまっている。スイスで初のコロナ感染死亡者が確認されるなど、各国への感染拡大の動きが続いている。欧州株は英独仏など主要国の株価指数がいずれも1%超安となっている。米株先物は時間外取引で反落しており、ダウ先物は一時500ドル安となった。米短期金融市場では次回18日FOMCで0.50%利下げを織り込む度合いが高まってきている。
ドル円は107円近辺での取引。107円前半から売りが再燃すると、107円台を割り込んだ。当初は米株先物は欧州株の軟調な動きがリスク回避的な円買いにつながっていた。その後、米10年債利回りが1%を下回り、0.95%台まで低下すると、ドル円は106.80レベルまで下落。昨年10月7日以来の安値水準となった。足元ではやや下げ渋っており、107円近辺で揉み合っている。日銀が新型コロナで企業支援のため、低利での資金供給活用を検討しているとの報道があったが、円売り反応は一時的だった。
ユーロドルは1.11台後半での取引。売りが先行して1.1120レベルまで小幅の下げたが、その後は上昇に転じて1.1178レベルに高値を広げた。ユーロ円は119.19レベルから119.60近辺で方向性に欠ける上下動。欧州株が軟調に推移している割にはリスク回避の円買い・ユーロ売りの動きは限定的。米追加利下げを催促するムードもあって米債利回りが低下しており、対ドルでのユーロ相場上昇が下支えになっていた。スイスで初のコロナ感染死亡者が確認されるなど、欧州での感染拡大の動きは続いている。伊議員によると、イタリアの新型ウイルス対策費は50億ユーロ近くになるもよう。
ポンドドルは1.29台前半での取引。ポンドドルは1.2870レベルから買いの動きが継続しており、高値を1.2930レベルまで伸ばしている。ポンド円は買いが先行したが、138.40近辺で上値を抑えられた。その後は137.94レベルまで下押しされた。対ユーロでは買いが先行したが、すぐに値を戻している。ポンド関連の新規材料はでていないが、市場では英政府の財政出動への期待とともに英中銀の早期利下げ観測が交錯している。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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