ドル円110円近辺、ドル売り圧力残る中でポンドが独歩安=ロンドン為替概況
ドル円110円近辺、ドル売り圧力残る中でポンドが独歩安=ロンドン為替概況
27日のロンドン市場では、ポンドが下落している。この日発表された英政府のEUとの貿易交渉姿勢が妥協しない内容だったことが背景。6月までに合意できなければ12月末の合意なき離脱の準備が必要、EUのルールや規制には沿わない方針、などとしており、市場には合意なき離脱が再び意識されている。ポンドドルは1.29台を割り込み1.28台後半へ、ポンド円は142円台割れから141円台半ばへと下落。ユーロポンドは0.85台に上昇。全般的にはドル売り圧力が継続しており、引き続き米国にも新型ウイルス感染が拡大することが警戒されている。米10年債利回りは一時1.28%台へと低下し、再び史上最低水準を更新した。欧州株や米株先物は大きく下落している。ドル円は一時109.85レベルまで下落。110円に戻した後も上値は重い。ユーロドルは1.09台前半で高値を伸ばす動き。ユーロ円は120円割れから120.50超え水準まで振幅している。
ドル円は110円近辺での取引。東京市場で上値重くなったことを受けて110円ちょうど近辺で取引を開始した。米国への新型ウイルス感染拡大が警戒されるなかで、再びリスク回避ムードが広がっている。前日は大幅反発だった欧州株は今日は全面安となっている。米株先物は時間外取引で下落。米10年債利回りは一時1.28%台まで低下し、史上最低水準を更新した。ドル円は一時109.85レベルまで下落。その後の戻りは限定的。安倍首相は、3月2日から春休みまで小中・高校の休校を要請。各種文化イベントなどの中止も相次いでいる。3月はコロナ対策月間として経済活動が停滞しそうだ。
ユーロドルは1.09台前半での取引。米債利回りの低下を受けてドル売り圧力が優勢。1.0910台からじり高となっており、高値を1.0948レベルに広げている。ユーロ円は振幅。序盤は株安の動きが広がるなかで119.96レベルまで下落したが、その後はユーロドルやユーロポンドの上昇に支えられて120.56レベルまで反発した。イタリア債の下落の動きは落ち着いている。ECB当局者らはインフレ目標についての議論を進めているもよう。シュナーベル理事はインフレ期待の指標についての検討に言及していた。
ポンドドルは1.28台後半での取引。序盤には1.2946レベルまで高値を広げる場面があったが、その後は売りが強まっている。この日発表された英政府のEUとの貿易交渉姿勢が妥協しない内容だったことが背景。6月までに合意できなければ12月末の合意なき離脱の準備が必要、EUのルールや規制には沿わない方針、などとしており、市場には合意なき離脱が再び意識されている。1.29台割れから一時1.2860レベルまで下落した。ポンド円も上値重く推移。欧州株や米株先物の下落もあって142円台割れから141.56レベルまで下押しされている。ユーロポンドは0.84台前半から一時0.85台を付ける動き。カンリフ英中銀副総裁は、賃金上昇圧力もインフレは低水準、英中銀は必要であれば追加緩和を行う余地がある、と述べた。
MINKABU PRESS 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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